結婚相談所から申し込んだ11歳歳上の力石徹に似た方との初デートで結婚前提のお付き合いとなる。しかし結婚相談所とはそういうものだ。




力石は以前、相談所で出会った中国国籍の女性と付き合ったそうである。大変美しい方で日本語も流暢であったという。

何故結婚に至らなかったのかと問うと彼は、女性の方からいきなり結婚を迫って来たからだと言う。


私はウムと考える。

何度も心の中で言う、結婚相談所とは結婚する所であるのだがこの男、破天荒に相談だけする気でおるのか。



年配者で条件も良く過去にもモテて来た男は要注意だ、ジャンケンを出す時は、親指と人差し指がチョキで残りの指がグーで掌がパーみたいな出し方をしないとたちまち臍を曲げて去って行く。

何事も自分のペースで進めたいのであろう、まあ私も頑固に譲れない所はあるからお互い様だなと、一旦注意点として記憶に留める事とする。

お互いバツイチであるから、異性に途方も無い幻想は抱いていない筈である。



そして食事が終わり、近くのスタバでお茶をしている時に力石が、いつ頃までに結婚したいのかと聞いてくる。


こんな場合ですね先生、何と答えるのが正解なのですか?


取り敢えず私は、

気が合えば早いに超したことは無いが、慌てている訳でも無いと、こめかみをヒクヒクさせながらも余裕をかます。


そして逆に問うてみる。

力石はいつまでに結婚されたいのかと。


すると、

年末までを目標にしろと、仲人には言われたと力石が笑う、これは、期待しても宜しいのかどうなのか。

では、年末までに結婚しようかなどとトドメは差せぬ、言質を取りたいが、先程の中国国籍の方の話が私の思考の邪魔をする、無念。