結婚相談所から申し込みのあった3歳年上の西島秀俊に似ておるが几帳面な男性と夜のバーで初デート中である。
彼はカウンターで、隣りに座る私のウエストを褒めてくるが、さもあらん。ウエストを制する者は天下を制するのである。
もう42歳で婚活などしておるのだから、若さが無い分を他で補う必要がある。
己の容姿も、収入も、性格も、他人様より少しは高めを維持したい。
いくら私が年上好きとは言え、幼少期から勉学に励み毎日働いて来た男が最後、性別不問な年増と添い遂げたいなどと思わぬ事は想像に難くない。
男が単純に想像する、女性という偶像からはみ出ないようにするのは結構大変な事だが、やらない同世代への差は簡単につけられる。
しかし、西島秀俊が私を褒める位置が下がったと言う事は、彼の目線も徐々に下がって来たと言う事だ。
会話には時々下ネタも挟む様になり、見れば彼はサングラスからも脱皮して、私に心を開く準備をされておるように見える。
彼がバーテンダーに、
沖縄の酒はあるかと聞くと、黒人のバーテンダーは、ああ泡盛ですねと、グラスを2つ出して来る。
その間、西島秀俊は再び厠へ立つが、もう5分に1度のペースで行っており話しが全く続かない、
よもや麻薬でもやりに行っておるのでは無いかと半ば疑うが、麻薬とは5分に1度打つ物なのか。
彼はカウンターに戻ると再び私のウエストを見て、
しかし細いですね乱暴にしたら壊れてしまいそうです
と言う。乱暴になな何をする気なのか、素敵な笑顔でラリってこいつは何を言うておるのか。
しかし性格上私もつい、頑丈であるが優しくしてねと言うてしまう、己の馬鹿馬鹿馬鹿。
西島秀俊は、自分は六本木ヒルズ倶楽部のメンバーだから、今日はヒルズにするか悩んだのだとか言う。
いつもの私であれば、凄いな1度は行ってみたいものであるなど言う所であるが、先程彼は付き合う相手のランクを気にしておったから高さを合わせようと、
私もヒルズ倶楽部に行った事があるぞとか言うてみるが、反応はイマイチ、
今日は成果を出せそうにありません。