結婚相談所から申し込みのあった3歳年上の西島秀俊に似ておるが几帳面な男性と、本日は夜からデートである。
会社が終わってから1度自宅に帰り、代官山で購入したシンプルだが素敵なワンピースに着替える。
9cmのピンヒールは針よりも細く、パイソンのクラッチバッグは薄くて小さいから過去の記憶すら入らない。
恐らく西島秀俊はブランドが好きであろうから、婚活では絶対に着けなかった高級な時計もアクセサリーも臆さずに着ける。
六本木のウルフギャング・ステーキハウスを指定され、ピンヒールでギクシャク歩いて遅いから早めに家を出たせいで到着が定刻より早い。
待つ間暇だ。
しかし出入口付近の椅子に座って煩悩の数を数えておる内に西島秀俊が颯爽と登場。
彼の出で立ちは、HERMESのバッグ、HERMESのサングラスに靴、オーデマ・ピゲの時計、クロムハーツのペンダント、服はカジュアルなコットンのヘンリーネックにジーパンであるが絶対にブランド品であろう、いや実際はユニクロであっても判断つかぬが、お似合いであるし全て真新しいのは見て分かる、
しかし、なんだ、こいつはちょっと厄介な散財家では無いのか。
彼はサングラスを外して私を眩しそうに見る。
格好良い。いい匂い。
席に着くと、緊張するのでサングラスをかけて良いですか
と聞かれ、本当に繊細であるなと興味が湧く、
そんなセリフを聞いたのはEXILEのATSUSHI以来だ。
サングラスは店内に入ると薄い色に変化している
私達は他人から見た時に果たして夫婦に見えるだろうか。
これから結婚する2人に見えるだろうか。