15歳年下の後輩(男)と銀座で飲んだ後でコーヒーを飲む為別のバーへ移動する。
ビル内にあるバーに行くためエレベーターに乗ると15歳年下の後輩(男)が、店に入る前にお手洗いに行った方が良いとしきりに言うから、何であろうかと思い厠へ行きそこで鏡を見ると、口の周りに口紅が広がり人を食ったようになっておる。
ぐわーとかひーとか言いながら化粧を直してから、男の側に戻って照れて笑うと、15歳年下の後輩(男)は私を見て安心した顔をするから2人で目を見合わせて笑う。
今だけは恋人同士のようだ。
バーの中は白く開放的であった。
高い天井からはシャンデリアのようなガラスが一面にぶら下がっており、ランダムな波のように7色にその色を変える。
店内は混んでおりその年齢層は若く、ソファ席が多く、奥の席では男子のグループがワイワイと楽しく飲んでおる。
我々が通されたのはテーブル席であったから、私は一応周りの女子をチェックする。
隣がゴージャスな美人であったら何かヒリヒリするので席を替えようかと思うたが、すぐ隣の席はカップルでずっと見詰め合ったままお互いしか見ておらぬ。
しかしこんな店はイマドキだし若い頃はこの様な店に来て飲めば時代を制した気分になれたのだが、今は特に感慨は無い。彼の為に、素敵な店だな覚えておこうとか言うてみる。
ちょっとした42歳のババアが、若いこの男と一緒に夜遅くに飲んでいるだなんて周りには、隣の席を除く、周りには一体どう映るのかと気になり出す。
男子店員がメニューを持って来てお勧めの品など説明してから去って行く。
メニューを見ると本当にコーヒーがあるからこれにしようと決めた時、15歳年下の後輩(男)が去って行った店員を見ながら、
あの人説明する時、僕の事なんか一切見ずに先輩の顔しか見ていませんでした、と笑うから、
年増を近くで見るのが珍しいのであろう、と思うが口に出して言うのは止めておく。