結婚相談所から申し込みのあった3歳年上年収1500万の
西島秀俊に似た男性と帝国ホテルでお見合いをする、
その後は15歳年下の後輩(男)と銀座で待ち合わせだ。
外は夏の大雨。
お見合いが終わり西島秀俊が、
車で来たので自宅付近まで送ってくれる運びとなる
本来ならこの後直ぐに銀座に出れば後輩との待ち合わせに間に合うのだが、未来の旦那からのせっかくの誘いを断るような事はしない。
帝国ホテルのロビーを出て駐車場に向かう通路からも
雨の勢いが強いのが解る。
西島秀俊は、
実は新しい車を買いつい先週納車したばかりであると言うておるから、電気自動車であるのかと期待したが、
見れば熊手マークがピカピカに輝くマセラティ、
一度は乗ってみたかったイタリアの名車であるが
フェラーリ好きに言わせたらスピードはフェラーリには敵わないと言う事だ
真偽のほどは分からない。
有難く助手席に乗る、位置は勿論右。
車内はまだ新しい革の香りであるから深く吸い込む、
肺が浄化されるようだ。
間違えてもバカ力を使わないようにドアはそっと最後まで手を添えて閉める、
半ドアでもギュウッと自動で閉まるこれは
鉄で出来た高級な宝物だ。
西島秀俊が、
ご自宅はどの辺ですかと問うのでナビにウェスティンホテルを入力してもらう、こんな時は恵比寿に住んでいて良かったと思う。
浜松町に住んでいた時はポケモンセンターを指定すれば良かったから、あそこも悪く無かった
しかし私は元来出不精であるから、
都心に住む利点はこんな時か、通勤の時位しかメリットは無い。
車の中でエンジンをかけるまでの沈黙が緊張する、
西島秀俊には悟られないように横を向き、
窓の外だけを眺める。