結婚相談所に入会してから3ヶ月目、
申し込みのあった3歳年上年収1500万の西島秀俊に似た男性とお見合いをする。
お見合い場所は帝国ホテルであった。
いつもお見合い時間より早く到着致す私であったが、
当日は何故か時間ギリギリに到着致した
外は夏の大雨が降っており、
本日は西島秀俊とのお見合いの後、
銀座で15歳年下の後輩(男)と飲む約束もある。
ホテルから近いので時間的には余裕であろう。
西島秀俊は既にロビーにいた。
私が近寄り、
少し迷って遅くなってすまないと申すと感じの良い雰囲気で、
先に着いたので席を予約しておきましたと申す。
気が利いており嬉しい判明、
婚活に随分慣れておるようだと少し警戒する、
帝国ホテルのロビー待ち合わせで先に到着した時、
そうだ、ラウンジの席を予約しておこうだなんて、
一般的には思い付かないのではと思う。
それだけの人数の素敵女子との面会をこなして来たのに
まだ独身だと言う事になるだろう。
そしてイケメンであるから手強そう。
席に着いて改めて見れば、
写真よりは少々精彩に欠けるがしかし格好が良い、
聞けば本日は休日であるにも関わらず仕事があり、
早めに片付けて来たのだというから、
それは申し訳ない事をしたと伝える。
しかし会話には困らないが、何と言うか、
通常、お見合いをしている時に相手と意識が絡まり合うような瞬間が私には有るのだが、
西島秀俊とはそれが無い。
結局私に興味が無いのか
今回は難しそうであるなと思いながら1時間のお見合いを
終えてロビーに出た時に、手土産のクッキーを渡す。
すると西島秀俊は
横なぐりの大雨が降り注ぐ表を見ながら、
雨がまだ強そうですね、今日は車で来ていますから
良かったらご自宅近くまでお送りしますよ
と申したから、私は直ぐに、
それは大変有難い、と返事を返す。
本日お見合いして初めて相手と心が通ったような気がした。
しかし本来ならこのまま銀座に行く予定であったから、
恵比寿に戻ってからまた15歳年下の後輩(男)の待つ銀座に行くという事になると、絶対時間に間に合わない。
しかし私は拳をブルブルと固く握り締めながら、
未来の夫の後を着いていくのだと決意する。