大手結婚相談所から申し込みのあった

1歳年下笑顔がトム・クルーズ似の年収8000万の彼とは

単なる仮交際中である。




トム・クルーズに手作り弁当を渡した夜中にLINEが私を呼ぶから見ると彼からで、

ご馳走様と、空になった弁当とゆで卵の殻の写真が送られて来た、そこにはブラインドと机も写っているから職場であるのか、行った事の無いその場所に思いを馳せる私は

恋をしている42歳、

ロマンチックに妄想中が止まらずそのブラインドの前で彼と肩を並べ星を見上げる姿を想像してドキドキする。



しかしこんな時間に弁当を食べたのかまったく太るぞと思う反面、わざわざ食べて感想を送ってくれたのかと嬉しいような照れ臭いような気分になる。


翌日は彼から電話が来て

あの後会社に戻って仕事があったから夜食に頂きました、プロの料理人のように美味しかったですと大袈裟に料理の腕前を褒められて私はたちまち調子に乗る、

元々誉め言葉を直ぐ真に受けるタイプである。


どうやらトム・クルーズの母は片付けが得意では無く料理も怠る、どんな家政婦を雇っても母とは折り合いが悪く、

好き嫌いの激しい母は気分次第で食事にも手を付けないので、トム・クルーズがそれを気にして時々弁当を買って実家に帰ったりしているのだと言うから一応、


親孝行であるだの、お主は優しいだの言うてはみるがしかしなんだ、

そんな厄介な母が何か天の采配によっては私の義母になるやも知れぬのだなと感慨深いものがある、

それはあれだ、金では解決しないやつだな。

医者でも難しいあれだな。


兎に角また明後日も心配なので実家に顔を出すのだと言うておるから止めれば良いのについ、私が弁当を作ろうかという言葉が口を衝く頼まれてもいないのに本当に私は時々気まぐれにお人好しだ、


しかし嘆くな友よ、

これには私の呪いがかかっておるのだ、もしトム・クルーズと別れたら、その後、彼の性格であればこの経験から次に選ぶ花嫁候補は美味い弁当を作れる事がマスト条件となるであろう、恐らく出会って3回目にして、次回は弁当を作って来て下さい、などと相手に言うに違いない、


どうだそんな男はウザイであろうから嫌われる、

これは私の伏線なのだ。


理解出来なくても構わぬぞ女というのは恐ろしいものだと言う事を表明してみたかっただけなのだわははは(息継ぎ)はははははは。