大手結婚相談所から申し込みのあった

1歳年下笑顔がトム・クルーズ似の年収8000万の彼とは

昼から映画館デート中である。




喫茶店でお茶をしてお開きかと思いきや、トム・クルーズはこれから晩御飯など一緒に如何かと誘って来る。


私は、この男結婚相談所を利用した遊び人では無いかと

怪しみながらも相分かったと了承する。

映画のチケットは私が購入したのだから晩御飯を彼が払えば相殺であるなと考える、

まあ大分ケチ臭いがこれを金銭感覚に優れていると世間は言うのだ。


食事する店は何処が良いかと聞かれて、

ここは恵比寿であるしL'IGNISはどうかと提案する、

薪火で焼いた肉と盛り付けの美しさが写真にバエル店であるが何より店員の女子は昼間モデルのバイトなどしていたりするから可愛い子が多い、

少し前には厨房の中に、仁王立ちして頷くだけの役に立たなさそうなそして動かない作務衣の男が居ったのだがいつの間にやら居なくなったようで少し寂しい。


しかしトム・クルーズが、その店は嫌だと言うから他の店も幾つか挙げてみるが全て嫌だと言うので、何処かあてがあるのかと尋ねると、広尾の金舌に行こうと言うから最初から決めていたように思える。


さほど遠くない距離だと言うからまだ開店まで時間はあるしブラブラ歩く事に致すがトム・クルーズは途中、

もう疲れただの、

靴が新しいから足が痛いだの言い出して本当に煩い、どれだけ己に正直であるのか。

最初私は、背中におぶろうかなどと冗談を返していたがそれも面倒になり、もう文句は一切聞こえないふりを徹底する。


広尾に差し掛かった所でトム・クルーズが、

この辺りは家の親父が犬を散歩させるルートだと言うから、今偶然この道で出会って親公認の付き合いとはならない物かと小さく天に願ってみたりするが、

願いは届かない内に店に着く。


店でのメニューはトム・クルーズにお任せすると、

彼は注文の最後に、デカい皿に乗ったユッケを2皿注文してこれをご飯に乗せて食べるのが美味いのだと嬉しそうにしているが、この皿は恐らく普通は1人で食べるものでは無い。


更に飲み物はカルピスマンゴーオレンジジュースみたいな甘い物を注文しており、だから太るのだと内心思いながら彼を見遣るが私の為に、ビールでも飲みますかと注文してくれたから、疲れた所に気が利くなと単純な私のテンションは上がる。


注文が終わるとトム・クルーズが私の事をじっと見て、

前歯に青い物が付いてますよ、と教えてくれるから

いつからであったかとたちまち青ざめる。