大手結婚相談所から申し込みのあった
1歳年下笑顔がトム・クルーズ似の年収8000万の彼とは
昼から映画館デートである。
この所毎日のように長電話はしておるが直接会うのは
お見合いを除けば今回のデートで2回目である。
トム・クルーズは嬉しそうにニコニコと私の後を着いて歩く、会った時のクールで強そうなイメージはそこに無く白い肌の少し太った綺麗な男の子が楽しそうにしているだけだ、しかしHERMESの水色のシャツはもはやパツンとしているから一体何を食べてこの短期間の間に幅を広げたのかと思うが笑顔が可愛いからまあ良いか。
車を止める場所に困るから今日は叔父さんにここまで車で送って貰ったのだとか話しているから聞けば親戚は、
多くが代官山に住んでいると話し出す。
叔父さんには私の事を何と言ったのかが気になるが、
それよりもそんな人と結婚して果たして釣り合うのかと己の親族にチラと不安を覚える、が、
お互い20代であれば釣り合いが取れぬと親戚一同で戦争が起こるのかも知れぬが40も越えれば五体満足、人間であればそれでヨシとなり得るのか、
そう言えば私の親戚に、
秋になると山へ猟銃を持ち熊を狩り肉を捌き、最近など山を1つ売ってゴルフ場に変えた者があった事を思い出した、こちらは本物の山であるから何だか強そうだしまァこの
ネタがあれば大丈夫かと根拠も無く自分を励ます。
映画を観る前にトム・クルーズと2人売店に並ぶ、
彼がアイスなど食べるかと聞くので、2人で仲良く食べるのかと思わずニッコリ頷くと買われたアイスは1つだけで彼は要らないのだと言う。
致し方無く上映中1人でアイスをカップからチビチビ食べると隣りでトム・クルーズが、早く食べないとアイスが溶けますよと一々うるさいから急ぎ気味で食べると朝から何も食べていない上に冷たいアイスでなんかちょっと胃が頑張り気味でおならが出そう。
一応我慢はしたが気付けばもはやガスの行方は体内に収まったのか外界に出たのか分からないから映画に集中して忘れた事にすると、トム・クルーズも無反応である。
しばらくするとトム・クルーズが私のアイスのカップを手に取り空である事を確認すると安心したように前を向き、私は残さず食べて良かったと胸を撫で下ろすが、
しかしそんな事までチェックされるなんて、
なんかかなり細かく無いか。