大手結婚相談所から申し込みのあった

1歳年下笑顔がトム・クルーズ似の年収8000万円経営者と仮交際に至った初デートの当日。




彼と待ち合わせしている六本木ヒルズクラブ51階までのエレベーターに1人で乗ると、後から

3名の男性が続いて乗り込む彼等はみんな首から社員証を下げているから六本木ヒルズにオフィスを構えるサラリーマンであろうまだ20代であるのか若そうだが疲れた雰囲気で残業前にヒルズクラブで軽く晩飯を食べようといった様子だ上着も手提げ鞄も所有していない。


彼等はペラペラと、

毎日遅くまで仕事ばかりだから金を使う暇が無い

ヒルズクラブに頻繁に来ては晩飯に使う位だとか話しているから羨ましい限りだ

3人ともヒルズクラブの会員であるようだが日頃ここで晩飯なら本当にスペシャルな日は一体どこで過ごすのか、

この51階より高い建物はサンシャイン60しか私は思い浮かばない。


51階に到着したのでエレベーターの『開』ボタンを押して彼等を通すと3名ともペコペコしながら先に下りるので

小学校の横断歩道みたいで可愛いから

馬鹿なヤリチンにだけはなるなよと心で祈るが無理であろうな、私だって男であったら仕事が多忙であったとしても一番星を掴むまで遊び倒す自信がある。


エレベーターを降りたところで待っていると直ぐにトム・クルーズが形の良い口角を上げ笑顔でやって来る。


挨拶もそこそこに受付で何やら済ますと程なくして夜景の見える席に通された。


メニューを運んで来たウェイターが驚きながら、

おやお久しぶりですとトム・クルーズに話しかけると彼がにこやかに、

最近忙しくて久々に来ましたと話しておるから単純な私は久々という文言を頭の中で反芻し

頻繁に利用していないこの人と一緒にいる事に幸せを感じるが、何故この人は今独身なのであろうか。