大手結婚相談所から申し込みのあった

1歳年下笑顔がトム・クルーズ似の年収8000万円経営者とお見合いをする。




GW最初の良く晴れた日のお見合いだったから、

開始から1時間経った頃にトム・クルーズが、

ではそろそろと席を立つ。


彼はこれからデートであるのかGWもお見合いであろうかと見えない相手を羨ましく思ったりしてみたりするが顔には出さない。



お会計を終えた彼に、

本気でさり気なくDel Reyのマカロンを渡すと

甘い物が大好きな彼はニッコリ微笑むから心の中で

ご褒美頂きましたと満足する。


トム・クルーズはホテルのエレベーターを指差して、

私は車で来ていますからではここでと言うから

何に乗っているのか聞きたいところをぐっと堪える

絶対Ferrariに違いない


結婚する相手は国産車そしてなるべくなら

電気自動車に乗っている人と決めていたしそういう金持ちは嫌いであったのだがこの年収なら外車を持っている筈

久々乗りたい。


と、じっと見ていると指をくわえそうになるのでムンと意を決してにこやかに御機嫌ようと足早に去る

未練がましく後ろなんかは振り向かない。




もう昼だし

246沿いを歩いて俺流塩ラーメンでも食べに行こうかとも考えたが万が一トム・クルーズがFerrariで爆音で

ラーメンをすする私の真横を通り過ぎるかも分からないから大人しく恵比寿まで電車で戻る事にする。


しかしせっかくセレブな空気を身にまとったのだから

お洒落中華でも食べようとMASA'S KITCHENに足を運びカウンターに座っていると並びに座る小綺麗なカップルが店の常連らしく、男が店主に、



今度この子と結婚するんです



と紹介しており女は嬉しそうに微笑んでいる。


店の大きな窓から受ける光でそこだけキラキラと輝きもう眩し過ぎて見えないが心から羨ましいとそう思った。


私が結婚する未来の相手もあんな風に誇らしげに私を誰かに紹介してくれるだろうか。




夜になってから仮交際希望の連絡を仲人に出すが

相手からの連絡は来ておらずリミットは明日の13時まで。


GWといえども私は明日から2日間夜勤の仕事だ、

上手く行ったとしてこんな私の職業が普通の男性に

果たして理解されるのか。