大手結婚相談所から申し込みのあった
1歳年下笑顔がトム・クルーズ似の年収8000万円経営者とお見合いをする。
ラウンジでは向かい合わせでは無く
Lの字で座るソファー席に案内されたので
終始顔を凝視する必要は無く私は黄金ラインである
斜め45度をなるべく多く相手に見せるように努力する。
彼にはたっぷりの自信があり、
仕事も軌道に乗っていて自宅マンションでは子犬を飼っているから夜はいつも近くの公園に散歩に行くのだと言う、
仕事柄女性とは縁遠いし素敵な方がいても
仕事関係で面倒は起こしたくないので手は出せないから
結婚相談所に登録をしたのだと滑舌良くハキハキと私に話すから印象は好ましい。
とても素敵であるから女性との出会いには困らなそうに見えると私が本音を言うと彼は、
良く行く中華屋のおばさんにだけはいつも女性を紹介すると言われて困ってます
と言いながら綺麗な歯を見せて笑うから、
虫歯も無く話も豊富で物腰も丁寧
犬にも年増にも好かれるこの彼が何故バツ1のままでいるのかと不思議に思う。
すると彼は、
飲み物は違うのを頼みますかと私に問うて来るがまだコーヒーはたっぷり残っているお気になさらずと断ると
彼は店員を呼びカフェ・オ・レを1つ頼む。
先に頼んだロイヤルミルクティーもそうであったが砂糖をたっぷり入れて味見した上に、更に砂糖増し増しで飲んでいるから味覚は子どもかと思っていると、
最近忙しくて疲れているから甘い物が欲しくなるのだと照れて笑う顔が溶けそうに甘い。
彼はバツ1の理由について自ら話す、
結婚した後で花嫁には昔から付き合っている男がいる事が分かり、結婚後も別れずにその男と続けて会っているから花嫁の不貞により離婚したのだとあっさり言う。
何故それが分かったのだと私が問うとトム・クルーズは、花嫁の様子がおかしいので興信所に頼んだのだのだと
当然の顔をして言うから年収の高い者の結婚には興信所が付き物なのだと改めて思う。
が、結婚からその離婚までおよそ1週間であったと言うものだから私はまるで、カレー味のウンコとウンコ味のカレーさてどちらを食べるかと問われたような気分になるのは何故なのか。