テニスサークルの打ち上げで知り合った5歳年下のイケメンと小雪が舞い始めるビルの軒下で彼は

端正な唇に煙草を咥える。




背後のエレベーターが急に開き

華やいだ雰囲気の若い女子ばかりが5人降りてきて

皆イケメンをおぉと言いながらノリで見ているから

私は自分が彫刻した作品であるかのような誇らしい気分になる。



イケメンは女子達に対して斜めの位置におり

気配を察した上で顔を造っている様子が見受けられる見られる事に対する習慣がついているのか

ナルシストなのか。


私が見ている事に気付くと俺はもうオジサンですからと歳を気にしている様子

そう言えば私がまだ10代だった頃年上のイケメンにナンパされて友人と、

オヤジは嫌いだと散々本人に言うた覚えがあるが

あの時は年上の男性には何を言うても許されると考えかつ整った顔に対するマウント半分で

若さでしか勝負出来ない自分達であるからこそ酷い言葉をぶつけた覚えがあるのだが

もしかしたら彼もそんな目に合ったのでは無いか。



彼女達が去ると彼は犯罪ネタですがと素敵に笑いながら先週友人の家に泊まった時にと話し始める。



イケメンと友人は一緒に飲んで遅くなった帰り家に来ればと言われてついて行ったその友人は彼女と2人で暮らしている。家で再び飲み直している時友人の彼女の馴れ馴れしさに気を遣いつつそろそろ寝ようかと敷いてもらった布団に入り夜中にふと目が覚めたら隣の布団では友人が彼女としっかり致している真っ最中で、うっかり友人の上になっていた彼女と目が合いまずいと思った瞬間彼女の手はこっそりイケメンの股間に忍び込み友人にはバレずに3人で昇天したのだという話しであった。



何だその話は唐突にと私が笑うとイケメンは

こんな経験初めてでした犯されたのですとまるで保健室の学生のようだ


友情を無くすぞと私が言うと、

その彼女からは頻繁に連絡が来ていて今後もシモのお世話になるか悩んでいます

と晴れやかに悩むポイントが常人とは異なるが、こういう人種は居ても良い。



逆に、

3人で致した経験は無いかと私に問うから

有る訳無いであろうと笑うが有ったとしても言う訳が無い。




そう言えば先程の居酒屋にマフラーを忘れたと言うとイケメンも取りに行くのを付き合うと言う。

店に着きマフラーが無いかを店員に聞くと

生憎無いようだが万が一見つかったら連絡しますと携帯番号を聞かれて

口頭で店員に伝えるが目の端にイケメンも一緒になって番号をメモしているのが確認出来る

全くもって抜け目が無い。