テニスサークルの打ち上げに参加していたそのイケメンは既婚者であった。



私の隣りに座ると笑顔で挨拶をしてお酌をするが

女子百人が見ても全員がイケメンだと言うであろう

声は低く目尻は少し垂れているが黒く濡れた瞳が際立った甘いマスクで艶のある黒髪は軽くウェーブがかかっている


あまり近付くと頬杖をつきながらうっとりと観察したくなる位整っているから一定の距離を置くよう心掛ける。


彼は私よりも5つ年下でありバツイチで

前妻との子は1人いるがもはや会う事も許されず

現在の妻との間には2人子どもがいるのだと言う

彼は当然呼吸しているだけでもモテるからトイレで用を足す位の感覚で女性と遊んでいる。


気が向くとコンビニでもナンパをするのだと白い歯を覗かせた素敵な笑顔で言うている実に爽やかだ。




飲み会が終わり皆で居酒屋を出るとまだ道端には雪が溶けきれずに残っている。

目黒駅の改札でお開きとなりそれぞれが電車で帰るが私は歩いて帰れる距離だからヒラヒラと手を振るが

何か背中に気配を感じて見ればイケメンも一緒になって皆に手を振っている。



もう夜だからお主も帰りなさいと言うと

煙草を吸う必要があると言うから私もたまには吸うかと1本貰うことにしてマクドナルドに行く。

中で煙草は吸えないので外にいるとイケメンが珈琲を買う為店内に入っている間に


通りかかった短髪の知能指数の低そうな男にナンパをされ、今日は忙しいので相済まぬと断った後直ぐに

イケメンが出て来て

この短時間に良くナンパなどされますね

と呆れながらも2つ買って来た温かい珈琲を1つを差し出すから


気が利くな

と受け取り煙草も貰い火を点けて貰うが

寒さのせいかイケメンの手は少し震えていてそれがとても可愛く見える。



すると片手に珈琲を持ったまま後ろから私を抱き締めてイケメンが言った


『寒いからそこのホテルに1時間半だけ行きませんか』