婚活パーティで出会った自営業の男とクリスマスイブに会う約束をしたので久しぶりにアトレのメイクサロンに予約する。
ここは私にとってシンデレラが変身する為の魔法をかけてくれる店だ。
メイクだけでは無く素敵だ美人だと言葉でたっぷりの自信を必ず与えてくれる、彼女達が黒い言葉を口にする所は見た事が無いがしかし今日はクリスマスディナーですか羨ましいですと言われた時私の心はなぜか晴れない。
男とは銀座5丁目のドトールで待ち合わせていたから早めに行ってコーヒーを飲みながら待つ、
恐らくレストランも予約されていないであろうが不機嫌にならずにおこうと小さく呟く。
周りに座っている人達は12月24日だといっても至って普通の格好でノートパソコンで1人何か叩いている人も見受けられ誰も1人ぼっちを恐れていない。
最近はクリスマスだと言ってもこんな物なのかそう言えば街ではもうマライア・キャリーの曲なんか1度だって聞いていない。
私の左隣りには素敵な白いワンピースを着た若い女子が一人時々手鏡などで顔をチェックしているから彼女も待ち合わせであろうかと思っていたら直ぐに男がやってきて初めましてと言っている。
男の話し方は個性的でホストみたいな遊び人風だし擦れたような不細工だ、女性は免疫が無いのか初々しく照れている様子であるがどう見てもそなたにその男では勿体無い。
自由な恋愛社会だとは言え軽々とこんな男に女性の透明で一番良い時代を1片だってくれてやる事は無いのにと思うもっと若々しく春風が吹き抜けるような恋愛だってある筈だが、
それでは物足りないと言うのであろうか。