婚活パーティで出会った自営業の男は食事中、酔った勢いだからなのか私に過去の浮気話しを始めた。




何でも行きつけのスナックの女の子と良い仲になり

離れたくない傍に居たいなどと言われてすっかりその気になりもはや家に帰るとすぐに怒る恐ろしい嫁と過ごすよりも、


いっそ別れて水商売の女と一緒になろう

と決意したらしい。



外では頭を下げて働き家でも窮屈な思いなどして俺の人生何なのだと立ち止まる日もあるのだろう、

嫁の言い分は聞こえないので私は男の味方になるしかない。ただ分かるのは



夫婦で労わり合う事を忘れた瞬間そこには歪みが生まれ、一番の味方であるべきパートナーが世界で一番の敵となる。



結果子供達がまだ小さかった事もあるが嫁から、

離婚となれば裁判を起こすがそうしたらどうなる事か分かっているのだろうなと凄まれ脅され離婚には至らなかったと言う話しだ。



しかしいつも思う。

聞いた私も悪いのだが男と言うのはどうして何でも正直に話すのか。


自分可哀想と己に酔って浮気でもしたのか結局本能の赴くままに行動して自分の家庭を掴んだ幸せを本気で立直す努力もせず諦めて逃げ出したとは考えられないかそんな話し私なら恋人に言わず墓場まで持っていくが男というのは違うのか。




私はそんな彼に自分の仕事を説明した事があるが内容は理解されなかった特に鼻息荒く正確に教える必要も無いので、若者の尻に鞭打つ仕事だと言って終わらせた事がある。



しかしある時私の職業について彼が詳しくなっていた但しその説明はユーザー目線の説明だ。

男の認識を私目線で訂正しても男は何故かそれを受け入れない。


簡単な例で言えば私の職業は休日も突然仕事になる恐れがあるが彼の認識は事前申請が無ければ休日は職場に入れない筈だ、とかそう言った類いだ。


厄介だと思った。


私の話しを信じないでこの男は一体誰の説明を信じているのか。


聞くと週一回趣味で習っているサックスのクラスの高校生の女性から聞いたと言うが女子高生が就労規則に詳しい訳が無い。



自営業の男は私と出会う前から結婚相談所に入っていると言っていた。



出会うのはツンとしたような女またはボンヤリ話さない女ばかりで良い出会いに恵まれずそれで相談所のマネージャーに文句を言った所婚活パーティに数回無料で参加出来る権利を得て私と運命の出会いを果たしたのだとか嬉しそうに言った記憶が蘇る。


結婚相談所は退会すると聞いていたが止めずにまた再開したのではなかろうか、

もしくは昔マッチングした女とまた連絡でも取り合っているのかと昔見た白い顔の女が脳裏に過る。