私は大手結婚相談所の仲人に、
『今までの恋愛経験は3人くらいである。』と答えた。
いや全く嘘である。
ジャンルで言えば数は合っている。
略奪愛も、クソみたいな不倫も経験済だ。
『そうは見えませんけど』と、仲人はお世辞がてらに首を傾げたが、経験値が浅いと思われていた方が良いであろう。
このおっとりした年下の仲人が、一体どんなアドバイスをしてくれるというのか。
失礼だが、『私は実はバツ20なのです』などとカミングアウトしそうにもない。
いや、この仲人が結婚できた位のテクニックが結婚相談所には存在するというのか。(どう書いても残念ながら失礼になる。)
何れにしても私のやり方で結婚への道筋が開けなかったのだから、まずはプロに習うべきであろう。
人間はいつだって、結果を出した者が勝者である。
仲人はうーんと首を捻ったあと注意深く、私の好きなタイプを聞いてきた。私は以下の条件を挙げた。
年上上等(60歳未満)
年収は多めで夜露死苦
以上。
仲人はそれを聞くと顔を赤らめて言った。
『あなたは50代男性の期待の星です!』
私は星になった。
どうやら40代でそれなりに稼ぎのある女子は大抵、
同年代か年下を狙うらしい。
50代男性は人気無いなど何やら最高な話しを聞いた。
私は生まれながら年上好き、年下は結局、
『僕の若さ羨ましいデショウ』みたいな態度が鼻につく。
この様子では、私が狙う領域は誰も掘らない鉱山だから、おそらく金塊は独り占めだ。