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 クリスマス・イブに十二月大歌舞伎の昼の部を歌舞伎座へ観に行った。こんなイブも悪くない。席はヤフオクで買った3A。三階でも一列目なので少しは花道が見えるだろうと期待していたのだけれど、行ってみればそれは西三階(西桟敷席の上の三階)の一列目で、花道どころか舞台さえも観にくい席だった。
 お話は次の3つ。
  • 弁慶上使(べんけいじょうし)
    母(福助)と娘、そして話の途中で明らかになるその父親弁慶(橋之助)の悲しいお話。夜の部の「重の井」もそうだったけれど、やはり福助にはこの手の役がしっくり来ると感じた。話の内容としてはまあまあ。実は、始めに見たこのお話の最中は、その席からの舞台の観にくさにどうも馴れず集中して観れなかった。
  • 猩々(しょうじょう)/三社祭(さんじゃまつり)
    勘太郎+七之助の中村屋兄弟による舞踊。猩々は見ていてなかなか面白い。なんてゴキゲンな神様なんだろう。三社祭は、二人のキレのある踊りは良かったと思ったけれど・・・ちょっと眠たかったです。
  • 盲目物語(もうもくものがたり)
    何と言ってもこの日の歌舞伎はこの一話に尽きる。近頃歌舞伎を見るたびに「感動した」と書いている気がするが、この話はもう心の底から感動した。
    豊臣秀吉の側室淀君とその母お市の方、この二代に渡る女性に関わる男二人の物語。男二人とは豊臣秀吉と、お市の方に従事する法師で、一人二役でどちらも勘三郎が演じる。
    話の終わりでは、天下を治めて成功者となる秀吉とは対照的に、この目の見えない法師は乞食に成り下がってしまっている。その最後の幕で、法師が独りで三味線を弾き唄うシーンがもう何とも悲しくて感動的で涙無しには見れません。勘三郎は本当にすごいなと思った。あんな見にくい席だったにも関わらず、私は完全に彼の演技に取り込まれてしまっていた。これも一等席で観れたらどんなに良かっただろうと思う。この盲目物語がDVDになったら私は買う。