春先から続いていた私の「新撰組ブーム」はまだ続いている。しかし新撰組に関する本を読んでいると、この幕末の時代の他のいろいろな人物が否が応でも気になってくる。その筆頭が江戸幕府15代将軍のこの「徳川慶喜」だった。(大河ドラマの「徳川慶喜」を私は見なかった)
 新撰組のストーリーに登場するこの将軍の印象はあまり良いものではない。というより悪い。この将軍は、薩長の軍勢が大阪城を攻め立てている最中に、新撰組を含む佐幕派の兵たちを全員大阪城に置き去りにして自分は船で大阪から江戸へすたこらと逃げていったのである。それを聞いた新撰組の連中はどの本でも「えっ!?」との反応である。そして慶喜は全く薩長に抵抗する意思を見せず大政奉還を行い、260年余り続いた江戸幕府による政治にピリオドを打ってしまうのである。 
 しかし今日、NHK大河ドラマの原作である司馬遼太郎の「最後の将軍ー徳川慶喜」を読み終わってみて、私が今まで持っていたこの人のイメージは全く変わった。この人は周りに踊らされるだけの自我のない軽薄な将軍などではなかったんだと分かった。どういういきさつで大阪城を捨てたのか、なぜ薩長に抗戦しなかったのか、そしてどうして大政奉還に至ったのか、よーく分かった。今朝の電車の中で、この徳川慶喜が余生を送る部分とこの世を去る最後の部分を読んだが、感情移入してちょっと目頭が熱くなった。本当に面白い本です。司馬遼太郎はすごい。
 どうやらこの本を読むと自動的に、慶喜を思い「私はこの人のために死のう」と言った坂本竜馬のことも深く知りたくなってしまうようで、「竜馬がゆく」も読まねば気が済みそうにありません。