先日JAZZが大好きなボーカリストのYさんに誘われて、銀座にある料理を食べながらJAZZのライブが楽しめるお店へ行った。この日その店で行われていたのは、矢野沙織という18歳のサックスプレイヤーがメインで、ベース、ピアノ、ドラム、ギターという構成のライブだった。
 私はまだまだ駆け出しのジャズファンである。村上春樹が選曲した「ポートレイト・イン・ジャズ」というCDを2年ほど前に買ったことをきっかけに少しずつジャズを聴き始めていたが、生のジャズを初めて聴いたのはつい2ヶ月前のこと。だから演奏をうまく評価できるほど耳が肥えていないので、今はライブに行けばだいたいは「いいもんだなぁ」と思ってしまう。今回もいいもんだった。
 ジャズのライブを見ていると、曲の中で演奏者同士が目配せをし合って譜面なんて見ないでソロ演奏を仕掛け合うことがある。そういうときの演奏者達は本当に楽しそうだ。彼らは、脳ミソに浮かんだ何かを理屈抜きにそのまま楽器で音にすることができ、そしてその音を聴いた我々リスナーを気持ちいいと思わせることができる。すごいなと思う。
 きっとそういうところがジャズの聴きどころなんだろうなと私は勝手に考え始めている。つまり演奏家の個性は、まず脳ミソにどんなことが浮かぶ人間であるか(感性)、そして浮かんだそれを楽器や歌でどういう風に表現できる人間か(演奏技術や声質)、で決まっていくのではないだろうかと勝手に考えている。いくら楽器がいい音を出しても、感じるものが違う演奏家の音では、リスナーは心地良いと感じないのではないだろうか。当たり前のようなことを言っているのかも知れないけれど。まだ2回しかライブに行ったことがない中で私が「この人は聞き心地がいいなぁ」と感じたのはベーシストの鳥越啓介、ドラマーの吉岡大輔。彼らはぜひまた聴きたいと思う。