世界中のビリヤード好きの中で「エフレン・レイズ」の名を知らぬものはいないだろう。魔法のような球を突くことから“マジシャン”の異名も持つ世界屈指のトップ・プレイヤーである。
なんと先日、かつてはそのエフレン・レイズの一番弟子で、世界ツアーのトーナメントで優勝経験もあるトップ・プロ「ロニー・アルカノ」選手が、私の行きつけのビリヤード場ニコスに招かれてやって来たのである。彼は我々とチャレンジマッチを行い、その後店の月例会に参加するということだった。はっきり言ってアツいイベントである。
チャレンジマッチとは、プロ相手にアマが挑戦させてもらい、プロのプレイから学んだり刺激を受けたりするという試合である。こんな男と球を突ける機会はそうそうあるものではない。私はその日のトップバッターとして彼に挑戦した。4セット先取である。結果は、言うまでも無いが、負けである。4-1だったが、1セット取れたことはもはや奇跡に近い。


この人は本当にすごい。まず驚いたのはブレイクショットのパワーだ。突いた!と思った瞬間にバカーンと音がし、ラックされたボールがテーブル上を乱舞している。これは雷が近くに落ちたときの感覚に似ている。光った!と思った瞬間にドーンと鳴るあれだ。強烈なパワーである。従って、彼のブレイクで球が1つも落ちなかったことはほとんどない。それでいながら、手球はきちんとコントロールされており、跳ねた手球がテーブル外へ飛び出すことは一度もなく、スクラッチする(手球がポケットしてしまう)ことも稀であった。そしてその後は半分以上の確率で9ボールまでを取り切るのである。通常のショットもこれまた非常に正確だ。ポケットの入り口はおよそ球2個分の広さがあるのだが、彼が沈める的球はきちんとその入り口の真ん中を通って落ちる。ダシ(続いて狙う的球のために手球をポジショニングすること)の正確さは、もはや論じるまでもない。時には見ている我々の想像もつかないような方法で手球を出して見せたりした。筆ではそれをお伝えできないのが残念である。
チャレンジマッチでは私を含めて5人がロニーに挑戦したが、文字通り「あっ」という間の全員敗退である。合計20セット彼が取るまでに、我々が取れたのはわずか2セットだった。
その後、ニコスの月例会が行われた。参加者20数人のうちA級が7人おり、ハウストーナメントとしてのレベルは決して低くはないのだが、如何せん相手は世界レベルの男である。優勝はやはりロニー・アルカノであった。チャレンジマッチでウォーミングアップを終え、台のクセを完全に掴みきったロニーを止めることなど我々には不可能だったのである。
帰り際、記念にと彼にキューケースにサインをお願いしたところ快く応えてくれた。「RONNIE "CALAMBA" ALCANO」。CALAMBAの意味を尋ねたところ、フィリピンにある生まれ故郷の名前だとのことだった。握手をして別れた。感じのいい男だった。万が一、いつかどこかでまた彼と球を突けることができたときにせめてもう少しまともな試合ができるよう、さらなる修行をせねばなるまい。

なんと先日、かつてはそのエフレン・レイズの一番弟子で、世界ツアーのトーナメントで優勝経験もあるトップ・プロ「ロニー・アルカノ」選手が、私の行きつけのビリヤード場ニコスに招かれてやって来たのである。彼は我々とチャレンジマッチを行い、その後店の月例会に参加するということだった。はっきり言ってアツいイベントである。
チャレンジマッチとは、プロ相手にアマが挑戦させてもらい、プロのプレイから学んだり刺激を受けたりするという試合である。こんな男と球を突ける機会はそうそうあるものではない。私はその日のトップバッターとして彼に挑戦した。4セット先取である。結果は、言うまでも無いが、負けである。4-1だったが、1セット取れたことはもはや奇跡に近い。


この人は本当にすごい。まず驚いたのはブレイクショットのパワーだ。突いた!と思った瞬間にバカーンと音がし、ラックされたボールがテーブル上を乱舞している。これは雷が近くに落ちたときの感覚に似ている。光った!と思った瞬間にドーンと鳴るあれだ。強烈なパワーである。従って、彼のブレイクで球が1つも落ちなかったことはほとんどない。それでいながら、手球はきちんとコントロールされており、跳ねた手球がテーブル外へ飛び出すことは一度もなく、スクラッチする(手球がポケットしてしまう)ことも稀であった。そしてその後は半分以上の確率で9ボールまでを取り切るのである。通常のショットもこれまた非常に正確だ。ポケットの入り口はおよそ球2個分の広さがあるのだが、彼が沈める的球はきちんとその入り口の真ん中を通って落ちる。ダシ(続いて狙う的球のために手球をポジショニングすること)の正確さは、もはや論じるまでもない。時には見ている我々の想像もつかないような方法で手球を出して見せたりした。筆ではそれをお伝えできないのが残念である。
チャレンジマッチでは私を含めて5人がロニーに挑戦したが、文字通り「あっ」という間の全員敗退である。合計20セット彼が取るまでに、我々が取れたのはわずか2セットだった。
その後、ニコスの月例会が行われた。参加者20数人のうちA級が7人おり、ハウストーナメントとしてのレベルは決して低くはないのだが、如何せん相手は世界レベルの男である。優勝はやはりロニー・アルカノであった。チャレンジマッチでウォーミングアップを終え、台のクセを完全に掴みきったロニーを止めることなど我々には不可能だったのである。
帰り際、記念にと彼にキューケースにサインをお願いしたところ快く応えてくれた。「RONNIE "CALAMBA" ALCANO」。CALAMBAの意味を尋ねたところ、フィリピンにある生まれ故郷の名前だとのことだった。握手をして別れた。感じのいい男だった。万が一、いつかどこかでまた彼と球を突けることができたときにせめてもう少しまともな試合ができるよう、さらなる修行をせねばなるまい。
