パリッシュ+エッセイ「今村翔吾 湖上の空」

パリッシュ+エッセイ「今村翔吾 湖上の空」

滋賀の情報誌パリッシュ+に連載中の歴史小説家今村翔吾さんの日常にあった出来事や歴史のお話などを綴ったエッセイ

 滋賀の皆様、初めまして。今村翔吾と申します。この度、パリッシュ+さんとご縁を頂き、こうしてエッセイを連載させて頂くことになりました。
私は時代小説家ですので、日常にあった出来事の他に、歴史の話などもさせて頂ければと思っております。

 さて初回ということで少し自己紹介を。私は京都府南部の木津川市という町の出身ですが、今から十年前の2009年に仕事で滋賀に移って参りました。今は専業作家となりましたので、住む場所はどこでもよい訳です。極端な話、PCとネットの環境さえあれば、海外でも無人島でも出来る仕事です。幾つかの出版社から東京に住むことも勧められましたが、「滋賀に住み続けます」と、頑なに拒んでおります。
理由としては色々挙げられるのですが、第一に私は滋賀県がとても気に入っているということ。そして第二に滋賀県は歴史の題材の宝庫ということがあると思います。この地に住んで知ったこと、出会った資料なども多くあるのです。

 いきなり宣伝になりますが、七月に石田三成を主人公に据えた「八本目の槍」という本を新潮社より刊行しました。全国的には三成にいいイメージを持った人は少ないと思います。反面、滋賀では人気のある人物。どちらかに極端に振れることなく、一人の人間としての三成を描けないかと挑戦しました。そう思うに至ったのもこうして滋賀に住み、イメージの隔たりを知ることが出来たからだと思っています。

 京都出身の余所者の私ですが、このように滋賀の歴史をより多くの方に知って貰えるよう、小説という形で全国に発表していきたいと考えています。どうぞ小説ともども、このエッセイ連載も末永く楽しんで頂ければ幸いです。皆様、これからどうぞよろしくお願い致します。

 

《プロフィール》

今村翔吾/いまむらしょうご。一九八四年京都府生まれ。ダンスインストラクター、作曲家、埋蔵文化財調査員を経て、作家に。「蹴れ、彦五郎」で第十九回伊豆文学賞・最優秀賞、「狐の城」で第二十三回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞を受賞。「羽州ぼろ鳶組」シリーズ第一作『火喰鳥』でデビュー、時代小説界の新しい旗手に。『童の神』は第一六〇回直木賞候補となる。他に「くらまし屋稼業」シリーズ、『八本目の槍』など著書多数。