三姉妹の末っ子りりは、ドラベ症候群。
5歳5ヶ月です。母が日々を綴ります。
やっと診察してくださる歯科医院を見つけ、受診の日を迎えました。
りりが1番元気で機嫌のいい午前中の早い時間に、パパにも付き添ってもらい、3人で向かいました。
受付で渡された問診票には「お子さんが嫌がっても治療を希望しますか?」というような質問がありました。あぁ…これだ!これを聞いてくださるということは、治療してくれる可能性があるのでは!と、期待が膨らみました。
今までの経緯を簡単に説明して、実際に口の中を確認してくださり、すぐに「できるところから、やってみましょう!」とおっしゃいました。
ええ!!もう??すぐに??と驚いている間に、歯科助手さんが青いチューブをりりの鼻に当てました。説明によると、知人からも話を聞いていて、私もネット検索していた笑気麻酔でした。
嫌がって身体を横にしなかったりりは、笑気麻酔を当て、しばらくすると一瞬身体の力が抜け、診察台にもたれかかりました。
ですが、やはり笑気麻酔をしていても泣きながら嫌がりました。手は私が押さえ、頭をパパが押さえ、先生と歯科助手の方がとても慣れた手つきで、以前転んで欠けたところから虫歯になった前歯を削り、消毒し、あっという間にその穴を埋めてくださいました。
そして「上手にできたね!今日は終わりだよ。」とりりに声をかけてくださいました。本当にあっという間の出来事でした。りりは終わったことを理解し、褒められたことを喜んだのか「あーと(ありがとう)」と「あーんしたね」と言いました。
気が付いたら、私の目からはほろりと涙が出ていて、なんとお礼を言ったら良いのかわからず、ただただ「本当にありがとうございました。」しか言えなかったと思います。
そして、先生は「次回、1番大きな虫歯にチャレンジしてみましょう。奥の歯なので、舌が邪魔して、今日のように簡単にできるとは限りませんが…」と言いながらも、続けて診て下さる方向性を示してくださいました。
診察台から降りたりりは、何事もなかったかのように、笑顔で「バイバイ」と手を振り、何度も「あーんした」と言いました。
パパに抱っこされ「あーんした!」と自慢げに話すりり。
帰りの車の中で、パパが大きなため息をついたので「大丈夫?」と声をかけると「疲れたよ。泣いてるりりを抑えるのが辛かったから。」と言っていました。それから家に帰るまで、ずっとふたりで先生の手際の良さや、治療の方針が有難いねと話し、心の底から「本当によかった!」と胸を撫で下ろしました。
その後今日までに、計3回通院して、問題だった奥歯の大きな虫歯を含む3本の治療が終わりました。
2回目も3回目も「りり、今日は歯医者さんだよ。あーんできるかな。」と言うと「あーん」と大きく口を開けて見せてくれて、行くことを嫌がることはありません。
診察台に上がると、やはり泣いて嫌がりますが、徐々に諦める瞬間が増えてきて(瞬間、です。)3回目の治療では先生に「今日は長い治療になってしまったけど、お利口さんにできたよ。」と褒めてもらいました。(もちろん泣くし、ふたりがかりで押さえ付けないと治療できませんけどね。)
そして、先日てんかんのかかりつけ病院の口腔外科の受診日に、歯科医院で書いていただいた「治療が出来ているので、抜歯の必要がなくなりました。」という内容の説明書を持参し、全身麻酔の手術のキャンセルができました。
口腔外科の先生は、説明書を読んで、笑顔で「よかったね。」と言ってくださいました。
長くなりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。
我が子を虫歯にしてしまったことは、とても反省しています。それに、拒否された病院を批判するつもりで書いたわけではありませんが、治療までにこんなに苦労するとは思いもしなかったし、とても悔しい思いもしたので、こういうケースもあるということを知っていただければ幸いです。
最後に、通い始めた歯科医院の先生には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。知的に障害がある子が歯科医院に慣れるのは難しい場合もあると思うので、少し強引にでも治療をしてくださったことが、我が家の場合は助かりました。個々の性格や状況に寄り添い、どんな形でも良い方向に進めてくださるところが増えることを願っています!!