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三姉妹の末っ子りりは、ドラベ症候群。
2歳5ヶ月です。母が日々を綴ります。
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昨日の外来では、年内最後ということで、大きくテコ入れするという選択にはなりませんでした。

唯一、先生は「すぐにそれで改善するかはわかりませんが」と前置きした上で…以前提案してくださった、いわゆる「こだわりを減らす薬」リスペリドンを処方してくれました。

これは、年末年始頑張ってみても、どうにもならなければダメ元で試してみるというスタンスでの処方ですので、そう期待は持てません。

とにかく、私は「この年末年始に腰を据えて、今まで以上に食事に気を遣い、一口でも多く食べてもらえるように、年明けまでもう一度頑張ります!」と、病院を後にしました。

その夜は、ごはんを喉ごしの良いようおかゆに戻しました。お出汁でしっかり味を付けましたが、全く食べず…お好み焼きの生地だけを40gぐらい食べました。

今朝、朝ごはんを食べる時も、口に運ぶと拒否するので、比較的好んで食べるチーズ(タコライスにのせるような細切りのチーズ)を小皿にのせたら、自分で掴んで食べようとしました。
すると、掴もうとしたりりの手が小刻みに震えています。

え?なに、これ?

…もしかして、低血糖??

とても不安になり、ひとまず糖分のある飲み物を!と、カルピスを作りました。
ストローで一口、二口しか飲みませんでしたが、その後震える手でチーズを口に運びました。

しばらくすると、震えは止まりました。

その後食べたのは、小指の爪ぐらいの大きさの小さなおにぎりをふたつ食べただけでした。
それでは困ると、喉ごしの良い栄養補助ゼリーなども口に入れましたが、飲み込まず口の中に溜め込み、泣きました。

私の中で何かが崩れました。

頑張る?何を?
だって、いくら頑張っても、何を作っても、食べようとしないじゃない。
どうしたらいいの…

すると、昨日のblogを読んだドラベ症候群のお子さんのママさんからメッセージが届いていることに気が付きました。

数ヶ月前
お薬の影響なのか食べない
どんどん痩せてきた
歩行もふらふら
経鼻栄養補給を検討
そうこう考えてるうちに
動けなくなる
救急で経鼻による栄養補給
2.3ヶ月毎日続く
9ヶ月経った現在は経鼻なし
元気に通園

とのことでした。

はっ!と気が付かされました。

その状態になるまでにどうにかしなくてはならない!と。

すぐに主治医に電話しました。
うちの病院は、看護師さんに相談し、必要なら先生に繋いでくれるというシステムになっています。
繋いでくださる案内係の方が「今、看護師も混み合っていますので、15分後にお掛け直しください。」と言われました。時計の針は10:30を指していました。

年内は、今日の診察で終わりです。
診察受付は、11:00までです。
昨日行ったばかりで、もちろん今日の予約などありません。

しかし、このままだと元気にお正月を迎えられないかもしれない。そう、思いました。
一昨日、お風呂でりりの痩せた身体を見た時の気持ちも思い出しました。
何より、震えた手が怖くて仕方ありませんでした。

家にいた長女も一緒に付いてきてくれて、急いでタクシーを呼び、病院に向かいました。
受付対応してくださった看護師さんは「風邪引いてるとかでなければ、そういう診察は出来かねます。小児科の先生も既往症のある子の栄養、成長相談は難しいと思います。」と言われました。

「では、どうすれば良いのですか?今朝は何故か手が震えていました。朝はたった6グラムのご飯粒と、ひとつかみのチーズしか食べません。どうやっても食べてくれません。栄養失調で倒れなければ、診ていただけないのですか?」と言った私の目からは涙が溢れていました。

只事ではないと感じてくださったのか、お待ちくださいと言い残し、裏に消えて行きました。
数分して、どのくらい待ち時間があるかわかりませんが、りりちゃんの主治医が診てくれますので待合でそのままお待ちくださいと言われました。

主治医は、金曜日は外来日ではありません。
ですから、期待はしていませんでした。
どなたでもいいので小児科の先生に相談し、今りりの身体がどんな状況なのか、どうしたらいいのか、知りたかったのです。

数十分して主治医が来てくれました。
そして、ST に詳しい小児神経内科の別の先生の今日の予約を取ってくださいました。また、午後から栄養士さんの時間の枠も抑えてくださいました。

心優しく、頼りになるスーパーマンのようでした。

その神経内科の別の先生は、もうひとりSTの先生に声をかけてくださって、ふたりで対応してくださいました。りりの食べているところが見たいとおっしゃったので、急いでスーパーに走り、卵豆腐とおにぎりを買ってきました。

数ヶ月前はよく食べていた卵豆腐も、いつからか飽きて食べなくなっていましたが、久しぶりに食べるのではないかという淡い期待と、今朝少ししか食べなかったけれど比較的好きなご飯粒を食べてるところを見てもらいました。

おにぎりを食べる口の動きから、りりはまだ下の動きが未熟だということがわかりました。離乳食でいう舌ですりつぶして食べる段階なのだそうです。だから、気になっていた上顎のくぼみに舌で押し付けてしまい、そこに食べ物が詰まってしまう。しかし、舌の動きが悪いから詰まったものを排除できなくて、気持ちが悪いのだろうと。
その原理が証明されたのは卵豆腐でした。
卵豆腐はくぼみに詰まることなく食べれたので、大成功でした。

しかし、食べたおにぎりの量はとても少なく、しばらくすると口を閉じて嫌がるので、おふたりは「確かにこれは、毎食大変そうですね。」と、何度も呟いていました。年明け、主治医と相談しながら、長期的に解決を目指そうと言われました。

栄養士さんからは、一般的な必要なカロリーが一日1000キロカロリーだということ、またりりが食べている量は一日300キロカロリーぐらいではないかということを教えてもらいました。

実は、先程メッセージを下さったママさんから同じ数字を聞いていました。
娘さんも、一日300キロカロリーぐらいしか摂取できていなかったと…
(具体的なご経験談で、とても参考になりました。本当にありがとうございました。)

やはり、このままではりりは動けなくなる。
実際に、歩くのを嫌がるようになりました。
一日中、抱っこをせがむようになりました。
疲れるのか、すぐに横になりたがり、よく寝るようになりました。
10月に8.3キロだった体重は、2ヶ月で7.6キロに減っています。12月に入ってからは、更に意識して気をつけてきたので、辛うじて7.6キロをキープしています。

最後にもう一度主治医が時間を作ってくださいました。

「入院して経鼻で栄養補給するのもひとつの手かもしれません。ただ、年末年始を病院でお過ごしになるのは精神的にもしんどいはずです。ご家族でおうちでゆっくり過ごしてほしい。卵豆腐が食べれたと聞きました。そのようなもので年始まで頑張りませんか。」とおっしゃいました。

その時は私も同じ気持ちになっていました。
卵豆腐がまた食べれるようになったというのは、明るい材料になりました。

そして「カルテに目立つように、今このような状況だということ、救急に来てもどの先生も対応できるように記載しておきます。だから、不安になったり、りりちゃんの様子がおかしかったら遠慮なく来てくださって構いません。」とおっしゃいました。

11:00前に病院に来て、最後の診察室を出た時には15:30を過ぎていました。
その4時間半の間、長女はずっと私の隣にいてくれて、ポジティブな言葉をかけてくれていました。

前回のblogを見て、実際に経管栄養している方からのアドバイスもいただきました。胃ろうについてもご意見いただきました。とても参考になり、経口だけでなく様々な方法を前向きに考えられる要因にもなりました。本当にありがとうございます。

これが、昨日と今日の出来事です。
こうやって振り返ると、人騒がせな…と思ったりもしますが、ここまでしないと私は冷静になることはできませんでした。

ちなみに、夜は長い時間をかけて20gのごはんと卵豆腐をひとつまるまる食べてくれました。
ネットでカロリーを計算したら、両方で約120キロカロリーだと思います。その後、また別の味のゼリーをあげましたが相変わらず食べず。
お薬の時のアイスを少し多めに、また寝る前にジュースをふた匙あげました。←自分では欲しがらないので。

年末のお忙しい日に、急遽押しかけたにも関わらず、親身になってくださった先生方、心配してメッセージを下さった方々、一日中寄り添ってくれた長女に感謝します。

まだまだ解決に至っていませんが、一度は折れかけた心をしっかり戻して、年明けの外来日までじっくり向き合いたいと思います。