あれから9年

311の日のことは未だに詳細に覚えている

私は大学の最終学年で
卒業式を控えていた
袴を着るのを楽しみにしていた

そんな卒業式はもちろんなくなった

311のあと

カメラを持って東北へ向かった

宮城で
ひとりで浜辺に立ち
海を見た時
海が綺麗すぎて

涙が止まらなかった

その浜辺を背に
みるも無残な光景しかなかったからだ

それから
宮城県に通い始めた

写真を撮るたんびに
ごはん食べた?
沢庵とおにぎりしかないけど
関東から来たのに
食べなさい
と言って
おにぎりをくれるお母さんたち

大丈夫だょ
と言うと

私たちの写真撮ってよ
とみんなの話してる楽しそうな姿を撮った

たまに
ハイキングしたりした

福島では
帰ることのできない
20キロ圏内の
御自宅に伺って
お話を聞いたこともあった



いろんなところにも
つれて行ってもらった

たったカメラ1台から始まった
東北撮影

多くの人と知り合い

たくさんのフォトジャーナリストとも知り合うことになった

同じ地域を撮影していたフォトグラファーたちと
グループをつくり
北海道から関西まで
写真展をできるようになった

たくさんのひとが
東北で何が起きてるのかを
みてくれた

そして私たちは
そのフォトグラファーのみなさんの後押しで
ドキュメンタリーフォトグラファーを目指すこととなった

2016年に若手登竜門と言われるフォトコンで入賞して

2017年には写真学校で年間ベストフォトグラファー賞を受賞した

私が写真を撮るきっかけはケニアだったけど
世界報道写真展で受賞されたフォトグラファーと同じフォトコンで賞をいただけるまでになったのは

東北のみなさんのおかげだったと思う
東北の写真は公に出したことないけれど

人に真実を伝えると言うことを学んだ気がします

今年は10年目に突入

また1から
訪れた場所を全部回りたいとおもいます


はやい復興を祈って