◆どんなシチュエーションがあるの?
マイクの機能は「空気(あるいは物体)の振動を電気信号に変換すること」だと前回話しました。つまりマイクにはその他の「大きな音を出す」「録音する」といった機能はありません。
そのため同じマイクを使うにしてもその後の機材によって目的が大きく変わってきます。
色々ありますが、大きく分けて「拡声」と「収音」に分かれます。ケンハモや楽器で使われる用途としては以下の通りです。
〇拡声
・増幅した音の再生
→アンプ(増幅器)で音量を大きくしてスピーカーから大きくなった音を出します
〇収音
・録音
→電気信号に変換された音をそのまま録音機で保存します
・音の遠隔移動
→本来の音の力では届かないところ(テレビやPCの向こう側)へ音を届けます
・モニタリング
→拾って電気信号に変換したものを測定器で分析します
それぞれ1つずつ見ていきましょう。
◆増幅した音の再生
拡声はマイクの用途として最もポピュラーなものでしょう。マイク=音を大きくものするというイメージを持っている方もいるかもしれません。
実際のプロセスは以下の通りです。音からマイク、スピーカーから耳へは空気で伝わります。
音→マイク→(電気信号に変換)→アンプ→(音を増幅)→スピーカー→耳
よく「ギターアンプ」と言っていますが、「アンプ」とは「アンプリファイアー」(増幅器)のことでスピーカーとは別になります。本当はギターアンプって「アンプ付きスピーカー」なんですね。ちなみにスピーカーとは別に「アンプヘッド」という機材を付けるものもギター用にはあります。
問題は音を大きくしたり良くしたりするにはマイクの性能や位置の他アンプの設定や性能、スピーカーの性能など複数の要素が絡んでくるところです。増幅した音量やマイクとスピーカーとの位置によってはハウリングも起きます。
◆録音
録音をする人は拡声でマイクを使う人に比べて少ないと思いますが、録音においてもマイクが重要な役割を果たします。特にマイクの仕様や性能、位置で録音される音が全く変わってくるんです。マイキング重要。
ここでいう「録音機」とは、スマートフォンやICレコーダー、他にもPCなど多岐にわたります。スマートフォンで録画や録音する際も、スマートフォン内蔵のマイクで収音を行っています。
音→マイク→(電気信号に変換)→録音機で録音
録音の際に自分の音をモニタリングできるようにアンプを通してヘッドホンから音が出たり、あるいは何かを聴きながら録音するために別系統で音楽を再生しているかもしれませんね。
◆音の遠隔移動
音を入力する装置と出力する装置が別の場所にあれば、音を違う所で出すことが出来ます。ここでは「音の遠隔移動」と呼びます。学校の校内放送が分かりやすいでしょうか?放送室の声や音楽が教室のスピーカーから流れるのが代表的なものです。
音→マイク→(電気信号に変換)→録音機で録音
その他テレビの生放送やインターネット配信も同様です。場合によっては地球の裏側まで音を飛ばすことが出来ます。放送しているのにマイクが遠くて向こうの人に声が届かないとか悲しいですよね?(何度も経験あり)
◆モニタリング
あまり馴染みがないかもしれませんが、拾った音を拡声も録音もせず、測定器に入れることがあります。音楽で最も代表的なのが「チューナーで音を測定する」ことですね。チューナーにはマイクが内蔵されていて、それで音を拾って内部で音の高さを計算して表示します。
他にも騒音計で音の大きさを見たり、スペクトラムアナライザやオシロスコープで音をモニタリングするといったこともあります。正しい測定のためには正しいマイキングが必要です。
といった感じで、マイクを使ったシチュエーションにはいろいろあります。次回はようやく皆さんが知りたがっているマイキングの実際のやり方、「・それぞれのマイキング(マイクの当て方)について 」についてです!