今日は雨ふりだったけど

病院に検査に行くことができて よかったね

検査室のベットに横になった時

小声で「たすけて」と言って こわかったんだね

検査が長くかかって たいへんだった

疲れたね

よくがんばった

ゆっくり休んでね

 

母は三年前から寝たきりの状態になった

私の介護歴も三年がたった

一年一年と 母は日常生活のいろいろなことができなくなった

ゆるやかに体は弱って

子供の時の思い出の中に よく母はいるようになった

食事もほしくないと言い

食べてはむせて さらに体は小さくなった

「もう寝たい」と「早く死にたい」が母の口癖だ

あるとき母は 「早く死ななくてごめんね」と言った

その言葉は唐突で 思わず介護の手を止めて母の顔をみた

母はいつもとかわらない顔をしていた

 

私は母を追いつめているのか

やさしくないのか

母にとって何が一番幸せなんだろう

 

答えはでないけれど

今 母が生きていることが私は嬉しい

どんなに手がかかっても

一日でも長く生きてほしい

そう思う