オネエ系のゲイさんと仲良しになりました
「ひとつの性に属していること、それは他のすべてを切り落とされていることなのだ」(『薔薇色の星』)。 一方の性に属しているからといって、自分のなかのもう一つの部分をあきらめなくてはならない理由はない。 真の男とは、どこか女性的な特徴を秘め持っている人をいうのだ。 「崇高な存在であるためには、英雄は唯一の性の人間であってはならないのである」(『ガニュメデスの誘拐』)。 『ソドムとゴモラー』でプルーストは、倒錯者たちの起源を遠く動植物の雌雄同体の時代にまでさかのぼって論じる。 マルセルー゛`ユレールに従って彼の考えるところをまとめれば、異性愛とは他者性への転落であり、倒錯者と称される存在が実際には自然の延長上に位置するのだ。 その本能的な性向は、性の分化に先立つのであるから。 それより以前、同性愛者としては別のタイプに入るシードもまた、やや違ったニュアンスながら、両性具有状態への郷愁を吐露したことがあった。 彼によれば、人間の失墜は「両性者たる〈人間〉が自己の二重化に愕然となり、彼とほとんど同一なこの半分に気がかりな欲望を感じて、不安と恐怖に震え上がった」(「ナルシスについて」)日に始まるのだ。