オネエ系のゲイさんと仲良しになりました
晩年のプルーストに仕えた女性セレストーアルバレによると、彼はあるとき旧友にして師ロベールードーモンテスキュー伯爵が彼にかかわる物事の「核」なのだと洩らしたことがあった。 ユイスマンスが『さかしま』のデーゼッサントのモデルとし、ジャンーロランもアンリードーレニエも自作に登場させたこの世紀末の詩人が、シャルリュス像の形成に大きく寄与したことはよく知られている。 シャルリュスもまた、『失われた時を求めて』の「核」なのである。 本書ではこれからさき、男爵パラメードードーシャルリュスから目を離さずにいよう。 古来ヨーロッパで同性愛をめぐって積み上げられてきた言説の多くが、彼に付与されていることが見て取れるだろう。