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「あなたを愛してる。 だから、姉貴が不幸になるのに自分だけ幸せになれないとか偽善的なこと考えてるわけじゃない。 でも、このままやっていけるとも思ってない」「どうして」「自信がないから」「嘘だ」「嘘じゃないよ」「やってけないのは祐司じゃない、俺だって云いたいんだろう」ぼくは黙った。 「そうだよ、おっしゃるとおりだ。 二十二歳のきみに恋をした。 出会ったのが十年まえでも十年先でもこうはならなかった。 三十二歳のきみを愛してるなんて、ぜったい約束できない」その瞳にすいこまれて消えてしまえるなら、そのほうがよかった。 「蟻地獄みたいだ。 ぐるぐるわけのわからないうちに、何もかも失ってる。 どうしてくれるんだよ。 離婚したら会社もきっといづらくなる。 肩身の狭い思いしてまで働きたくない。 転職先さがすのかな。 これから。 嘘だろ。 ありかよそんなの。 ぜんぶきみのせいだ」「嫌いになった?」佐伯さんは顔をそむけた。 カウンターのうえに涙の粒が飛んだ。