女装子(じょそこ)のゲイを只今必死に探しています
「かんたんな話じやないっていうのはわかる」「……」「だけど、祐司によって救われたり幸せになれたりするひとは、どっかに必ずいると思う。 もったいなくねえか?俺みたいに仕事がのろいせいで時間ないのと違って、おまえは積極的に避けてるんじゃないかって心配なんだよ」「瞬、おっかねえ」祐司は笑った。 瞬は目をそらして、すっと隣に戻った。 「よけいなお世話だな。 聞き流してくれ」ほんとによけいなお世話だ。 だったらおまえが抱いてくれよと、意地悪を云いたくなる。 云いたかった瞬間が、なんどあったことか。 心が挫けかけると自分より大きなものにすがりたくなる。 腕を広げられたら、きっと倒れこんでしまう。 こういう心理は、さすがの友人にも想像のほかなのだろう。 「だれかできたら、まっさきに瞬に報告するよ」心にもない言葉だったのに、瞬の顔はごきげんな犬のようになった。 別れぎわ、かるく触れた手があたたかかった。 男の身体は面倒だと、つくづく思う。