何か別の形で表現できたらと企ん「この本をキッカケに何かイイことが起こる。
そんなステキな未来を想像しながらペンを置きたいと思う」。
僕は希望を込めて最後にこう書いた。
当時の自分に答えるのなら「碩実に未来は良くなっているよ。
でもあと少し、がんばりが足りないんだ」が適切だろうか? ネット第一世代の僕らが必死になって作った個人ホームページは今や誰でも簡単に自分のページを持てる∃EなどのSNSやブログにとってかわられ、多くの当事者が簡単に交流できるようになった。
タイピングの訓練に役立ったチャットは、音声や画像をやりとりできるりできるSKypeにかわり、よりリアルに相手を感じることができるよそして今や、携帯電話の進化により、パソコンを持たずしてゲイと繋がる若者世代も現れた(定額制のウィルコムに助けられているゲイは多いと聞く)。
恋愛に悩む思春期、それとほぼ同時期に自分と同じ仲間に出会える環境は日々整いつつある。
これは大きな進歩だと思う。
今、現在進行形で悩んでいる、孤立している、という方は本に登場するツールに加え、こうした最新のツールもぜひ活用してほしい。
一方、「自分と同じゲイに出会うのが怖い」「カムアウトしたけれど、両親から否定された」「田舎の閉鎖的な社会なので、自分を表現できず息苦しい」という相談は毎日のように僕のメールアドレスに舞い込んでくる。
「同性を愛すること」に否定的な社会では「同性を愛する自分でいいんだ」という自己肯定ができず孤立してしまう。
「ゲイは女性的だ」「ゲイはみんな、おネエ言葉を話す」といったバラエティー番組の画一的な情報や学校での否定的な扱いもこうした状況に拍車をかけている。