このジャンルでは、若い男性どうしの性愛が表現されるのが特徴です。 かつてはサブカルチャー的な扱いを受けてきたこれらのジャンルも、近年では多くの読者に広まり、ポピュラー文化のひとつと言ってもよいかもしれません。  そうなってくると、「やおい」や「BL」で描き出されている同性愛の関係が、実際の男性同性愛の関係であると考える人も増えてくるかもしれません。 そこで一般的に描かれるのは、「若く美しい」男性キャラクターどうしの恋愛や性愛関係です。 また「タチ」「ウケ」(あるいは「セメ」「ウケ」)というパターン化された役割分担の表現でしょう。 「タチ」とは性関係での能動的な役割であり、「ウケ」とは受け身の役割で、ジェンダー的にはそれぞれ「男役」「女役」とみなされる場合もあります。  たしかに、現実の男性同性愛者のなかでも、「若いほうがいい」というある種の年齢規範のようなものが存在するせいか、「若い人が好み」という人も一定程度います。 また、実際のセックスでは、「タチ」や「ウケ」という役割で相手を選んだり、そのような役割のもとで性行為をおこなうということもあります。