2009.12.31 19:00
国見-北越 前半、須郷(8)のゴールが決まり喜ぶ国見イレブン=駒沢競技場(撮影・大里直也)
第88回全国高校サッカー選手権第2日(31日、西が丘ほか)5-0の圧勝。国見は走って、走って相手を圧倒した。
「こんなにうまく、伸び伸びとやってくれるとは」と高橋監督が目を丸くするゴールラッシュは、前半わずか1分に始まった。右サイドのMF須郷のクロスをMF大町が足でどんぴしゃりと合わせ、先制のネットを揺らした。
その後は豊富な運動量で相手に攻め手を与えず、得点を重ねた。Jリーグ1部(J1)神戸入りが内定している北越のエースFW有田をあっという間に数人で囲み、全く仕事をさせなかった。
指揮官は「走り負けない練習はやってきている」と誇らしげだ。主将のDF野地が「正直、もう嫌だと思うことがある」という走り込みは大会前にも行った。
それは国見を戦後最多タイの6度の優勝に導いた小嶺元監督時代から続く伝統。積み上げてきた白星の数は、首都圏開催となった1977年の第55回大会以降で最多の66勝になった。
「選手はみんな“国見”というもの(伝統)を内に秘めている。そういったものが爆発した」と高橋監督。初の初戦敗退を喫した屈辱から3大会ぶりの出場。強い国見が戻ってきた。