ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 国立国際美術館で開催中 | アメ太郎、パン次郎とググ&おチビ

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16世紀のネーデルランド絵画を代表する巨匠ピーテル・ブリューゲル。彼の代表作「バベルの塔」などを紹介する「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展が、開幕しました。(取材に伺い、会場内の写真は特別の許可を得て撮影しています)

「バベルの塔の物語」

昔、世界中が同じ言語で話していたころ。

人々は天まで届く塔を建てようとした。しかしその野心が神々の怒りを買ってしまう。神は人々の言葉をバラバラにし、互いに意思疎通できなくなった人々は散っていき、塔が完成することはなかった。


 この旧約聖書に登場するバベルの塔の物語を、ブリューゲルは壮大なスケールと緻密な描写で描いています。

 

ピーテル・ブリューゲル1世《バベルの塔》

1568年頃 油彩、板 59.9×74.6㎝

想像してていたよりも、小さな作品でビックリしました。

とにかくすべてが細かい。塔ををじっくりと見ると、資材を釣り上げるクレーンをいくつも見つけることができます。すべて当時使われていた機械です。

塔の頂上部は建設中で、足場の描写から当時の建築技法をうかがい知ることができます。

中央あたりには、白い洗濯物のようなものが干されていたり、何かが売られている様子も描かれ、人が住んでいることがわかります。

そして、塔の向かって右下には港が。大きな帆船や船が描かれています。ブリューゲルは船舶の銅版画集を制作するなど船の構造にも明るかったそうです。

 

この作品を描いたピーデル・ブリューゲル1世とはどんな人物だったのか。

16世紀のネーデルランド美術を代表する画家。聖書の物語や寓話、人々の暮らしを、風刺をこめて描きました。版画下絵作家として頭角を現し、のちに油彩画を描きましたが、作品は少なく、特に油彩画は40点ほどしか残っていません。

 

展覧会の見どころの一つが、「ヒエロニムス・ボス」の傑作が2点、初来日していること。

現実には存在しない奇想の世界を強烈な個性で描くボス。彼もネーデルランド美術の代表作家です。

ネーデルランド美術は現在のベルギーとオランダに相当する地域で、14世紀から16世紀に発展しました。油彩技術がこの地で確立されたことから板に油彩で描かれた絵画が多いのが特徴です。

 

初期キリスト教会で最も権威のあった神学者。

アルント・ファン・ズヴォレの作品です。

《4大ラテン教父・聖アウグスティヌス・聖アンブロシウス・聖ヒエロニムス・聖グレゴリウス》(右から順に・・・)

1480年頃 オーク材

オランダボイマンス美術館から、ネールランド美術の選りすぐりの作品90点が来日。
会場を何巡したことか・・・どの作品も何度も見たくなります。そして、見るたびに想像力を掻き立てられます。
 
雨宮塔子さんと森川智之さんが担当する音声ガイドも必聴です。
特に森川さんの「サバ夫」が、、最高です!!
会場を出たところには、こんなものも!
ガチャガチャしてくださいね。
 
ボイマンス美術館所蔵
ブリューゲル「バベルの塔」展
BABEL 
16世紀ネーデルランドの至宝-ボスを超えて-
10月15日まで国立国際美術館で開催です。