今日7月1日から兵庫県立美術館で始まった「ブータン展」
昨日開会式と内覧会があり、取材にお邪魔しました。
(写真は特別の許可をとって撮影しています)
開会式には、ブータン王国国立博物館のプンショク・タシ館長も出席。
ブータンは中国とインドに挟まれたヒマラヤ東端の国
北にヒマラヤ山脈、南に密林が広がっています。
広さは九州よりとほぼ同じ、そこに約75万人が生活しています。
秋篠宮家の眞子さまが訪問されたことでも注目されました。
ブータンでは国民の97%が幸せと感じているそうです(うらやましい)ブータンの人々が感じている幸福感。今回の展覧会では、その根源となる伝統文化や思想に迫ります。
なんと、展示品がすべて日本初公開なんです。
イントロダクション
ブータンの祭『ツェチュ』(10日という意味)で披露されるマスクダンスで身に着ける様々なマスクが展示されています。

『ツェチュ』はブータン中の寺院、僧院、ゾンで毎年行われる祭りです。太陰暦で月の10日目に当たる日を祝う宗教的な行事で、グル・リンポチェの生まれた日と一致するとされています。しかし、ツェチュの行われる月は、場所によって、寺院によってまちまちです。つまり、一年を通じてブータン各地で開催されています。
↓《アツァラの面》 現代 木屑 ブータン王国国立博物館

第1章 ブータン的生活様式
織物、生活用具、刀、器、アクセサリーなど伝統的な品が展示されています。
↓鞘付きの刀《パタ・べンチャン》ブータン王国国立博物館

独特の民族衣装が魅力的です。
女性は主に「キラ」を身に着けます。一枚の布を体に巻いて帯を締めます。
↓女性の衣装「キラ」

儀式や式典に参加するときなど、女性の正装に欠かせないのが、左肩に掛けるラチュ。とにかく、色とデザインが素敵なんです。
↓左 女性用肩掛け《ラチュ》20世紀 木綿、絹
中 女性用肩掛け《ラチュ》20世紀 野蚕
右 女性用エプロン《ドンケプ》20世紀 絹、紋繊絹、木綿
第2章 ブータンの仏教と信仰
7世紀ヒマラヤ地域に仏教が伝来、ブータン全土に定着しました。
大乗仏教のヴァジュラ・ヤーナ派(金剛乗)最後の砦であり、その宗教はブータン人のアイデンティティの真髄となっています。
↓《八千頌般若波羅密多教》 13世紀 金書
ブータン王国国立博物館
↓《グル・ダクボ立像》20世紀 塑像 彩色
ブータン王国国立博物館
第二のブッダと崇められるパドマサンバヴァが怒りの形相現れた姿。両足で擬人化した「欲」を踏みつけています。
昨年王子が誕生したブータン王室から、現国王・王妃の衣装が特別出展されています。
