「ベルギー 奇想の系譜」兵庫県立美術館で開催中 | アメ太郎、パン次郎とググ&おチビ

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ベルギーのブランドル地方に、15世紀から現代まで続く、幻想的な表現「奇想」の流れをたどる展覧会です。
遊び心も感じられる入り口・・・
※写真は記者内覧会の際、特別な許可をいただいて撮影しています。
およそ500年の流れを、3つの章に分けて時代ごとに展示しています。
展覧会の企画協力に入ったエリック・ワイス(アーティスト/キュレータ-)によると
「19世紀に入って独立を果たしたベルギーは複雑な歴史を持っている。しばしば戦場ともなってきた。そうした過去や歴史に対する意識が作品に直接的な死の表象、あるいは、それを逆手に取るようなユーモアに昇華されている点がグランドル地方の芸術の特徴としてあげられるのではないか」とのこと。
第1章 15-17世紀のフランドル美術
奇想のルーツともいえる、奇才ヒエロニムス・ボス。
欲望にまみれた人々を待ち受ける「地獄」を描きました。彼の想像力が生み出した奇想のイメージは当時の人々の人気を博し、後世の作家にも多大な影響を与えました。
 

↓写真右の作品は

「トゥヌグダルスの幻想」1490~1500年頃
ラサロ・カルディアーノ財団蔵
巨大な頭。目や耳からはネズミが姿を見せ、鼻からは金貨が噴き出す。周囲に描かれているのは、罪人や悪魔たち。「大食」「激怒」「怠惰」「貪欲」など、いわゆる「7つの大罪」が描かれています。
近年の研究で、ボス工房の作品であることが判明しました。
 
「魔術師ヘルモゲネスの転落」を映像化した作品も。
細かい部分まで表現されていています。必見です!
第2章 19世紀から20世紀初頭のベルギーの象徴派・表現主義
1830年に国家としての独立を果たしたベルギー。
目に見えないもの、観念やいろいろなものの内面を主観的にを追い求める象徴主義の傾向が現れます。
(理屈で考えるとこれがなかなかに難しい・・・)
第3章 20世紀のシュルレアリスムから現代まで
絵画や版画だけではなく、多様なジャンルで表現されるようになった「奇想」・・・ということで・・・
どこからともなく響く打楽器の音に導かれ進んでいくと、ビックリするような作品が目に飛び込んできます!
↓「ティンパニー」レオ・コーベルス 2016-2010年
絵筆をくわえる骸骨は、芸術家。胸に入っている金塊は価値や富の象徴です。骸骨はリズムに乗って繰り返しティンパニーに打ち付けられます。
 
奇想といえば、マグリット・・・
彫刻、立体作品も並びます。
頭だけが大きくなり(知識だけが増えて)バランスを崩してしまった人間の姿も。
美術館の建物の上には、生まれ変わった「美カエル」の姿もありました。
「奇想」とは何なのか。
怖いけれど、ユーモアも感じられます。
でも、人間に対する「皮肉」が垣間見える気もしました。
「ベルギー 奇想の系譜」兵庫県立美術館で開催中です

http://www.artm.pref.hyogo.jp/

 

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