彼は予想通り帰省中
居酒屋で待ち時間にメールしたから
友達が来てからその後のやりとりができなかった
彼の返信に返々信したらしばらくメール交換できて親密感が生まれたかもしれない
なんかいつも間が悪い
見覚えのあるその人はその居酒屋で常連さんたちと親しげに会話してるやはり常連さんらしかった
思い切って話かけてみたら
やっぱりその人だった
25年ぶりの再会
そのころ通っていたバーのスタッフさん
亡くなった俺のパートナーと出会った店
他の常連さんたちと店のスタッフさんたちとで箱根に旅行に行った思い出話をした
パートナーが亡くなったことを伝えた
良かった
またひとり“彼”を悼んでくれる人が現れた

その夜
その居酒屋をあとにして友達とバーに行った
環状7号線を越え
山手通りを越え
明治通りを越え
タクシーはその特殊な街に着いた
きしむ音を聞きながら狭い階段を上って
最近常連となったそのバーに入った
相変わらずほぼ満席に近い盛況ぶり
狭い店にスタッフさんが4~5人いる
俺は翌日仕事だったからほどほどのところで帰るつもりだった
待ち合わせするもうひとりの友達がなかなか来ない
ビールが空いたら帰ろうと思ったところに現れた
‘車の中でかくれてキスをしよう’を歌ってくれとというのは
以前mixiの日記でアップロードされたコメント
そのときが来た
でも俺は「最近歌ってないから」と逃げて
‘hypnosis’を歌った
そのバーでカラオケを歌ったのは初めてだった
歌う前は友達も「誰の曲~?」などと興味を示すが
歌い始めるとまったく聴いてない
結構酔っていたわりにはまともに歌えた
時計を見たら午前1時を過ぎていた
俺は友達2人をあとに残してそのバーを出た