三内丸山で、踊る呪術師の線刻の土器破片
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青森市にある国特別史跡「三内丸山遺跡」で出土した縄文時代中期(4300年前)の土器片から、人が踊る姿を描いたとみられる絵が見つかった。青森県文化財保護課が8日発表した。専門家は、シャーマン(呪術師)を描いた国内最古級の出土品の可能性があると指摘している。
同課によると、この土器片の大きさは縦約8センチ、横約6センチ。絵は羽根飾りを頭につけ、道具を手に踊るような姿。縦約4センチ、幅約3センチで、直径1ミリほどの棒のようなもので刻み付けたとみている。人を描いた縄文土器はまれで、動きのある表現も珍しいという。
この土器片は93年、遺跡中央の盛り土から発掘されていたが、職員が先月、人物が描かれているのを見つけた。同遺跡発掘調査委員会の岡村道雄委員長は「祭具を持ったシャーマンが祈り、踊る姿と推測され、貴重な発見だ」と話している。
土器片は9日~11月20日、遺跡に隣接する展示施設「縄文時遊館」で公開される。【鈴木久美】