宝塚の配信を見るのは久々です。
配信であっても今の宝塚を見れずにいたのですが、鳳月杏さんのトッププレお披露目公演がどうしても見たくて。
スカイステージ を解約した今、トップになった姿を見るのは配信しかなかったので、見る事にしました。
見て良かった。
私はこういうお芝居を心から欲していたのだと思いました。
海外ミュージカルでは味わえない、宝塚だからこそ味わえる男役と娘役が織りなす恋愛心理劇。
お芝居を観終わった後に心地よいため息が出ちゃった。月組のお芝居は本当に好きだわぁ。
『琥珀色の雨にぬれて』の初演は1984年花組で上演されました。
柴田先生が当時の花組の為に描いたお芝居です。謂わゆる当て書きですね。なので、初演を観劇した方は皆「琥珀の初演は名作だった」と言います。
当時のトップスター高汐巴さんは、トップになる一年前に雪組から花組に組替してきた為に、殆ど二番手を経験する事なくトップになったとの事。
なので、トップ男役としてまだ青い部分が、クロードの『周りが見えなくなる程一途に恋に溺れていく』という感じがリアルにハマって良かったのだそうです。
そして、柴田先生は娘役を大切にする先生だったので、若葉ひろみさんへの当てがきも見事だった。若葉さん演じるシャロンあってこその作品ですよね。
私は初演は観劇していないのですが、この様な話を聞いた後で初演の映像を観て、『確かにこれは名作だわ』と思いました。特に若葉さんのシャロンが素晴らしかった✨
登場した瞬間から、歌声も美しくて、森の妖精の様な神秘的な美しさがあり、目を奪われました。クロードが一目で恋に落ちるのも、恋に溺れていくのも納得。当てがきの素晴らしさですよね。
・・・なので、男役としてのキャリアが豊富な鳳月杏さんがクロードを演じるのが全く想像出来ませんでした。もっと大人の包容力のある役が観たかったな、なんて思ってしまったけれど、、。
鳳月さんはお芝居も素晴らしかったけれど、ショースターでもあるのですよね‼︎
どちらかと言うと、控えめなスターさんだと思っていましたが、今まで培った男役スキルを発揮して真ん中で輝いていて。ジーンと来てしまいました。
指先一つにまで神経が行き届いていて、自分の魅せ方を心得ているなぁと思った。
客席降りがあったのですが、配信だと蚊帳の外で置いてきぼりに感じてしまうのですが、鳳月さんは『配信の方も楽しんでますか??』と聞いてくれて、その気遣いに感動しました
個人的に専科の水美舞斗さんとの並びにジーンときてしまいました。二人が花組時代に沢山通ったので、この様な形での共演に感慨深かったです。
ショーでのトップコンビのダンスも素敵でした
ゴージャスな並びで、鳳月さんの笑顔も自然で。大人のコンビで良き
お芝居、ショー共に素敵な公演でした。
私は特にお芝居が良くて、柴田先生がご健在だったら、鳳月さん率いる今の月組にどんなお芝居を描いてくれたかな、なんて思ってしまいました。
充分なキャリアがあり、男役スキルを身に付けた鳳月杏さんという素晴らしい素材を活かせるお芝居に出会える事を祈っています