
天海さんの舞台を観るのは約三年半ぶりです。
いつもならば、観劇日を指折り数えて楽しみにしていたのですが、観劇できるのが当たり前ではないこのご時世。当日劇場へ入るまでは、観られる保証はありません。なので昂る気持ちを抑えながら劇場へ向かいました。
無事に開場して客席に座り、プログラムを読んでいる時に、『本当に天海さんのお芝居が観られるんだぁ』と思い、早くも泣きそうになってしまいました
→後で知ったのですが、私が観劇した同じ日(4月9日)に上演予定だった劇団四季のアラジンは、始まる直前に中止になってしまったとの事。観客が席に座った状態で中止のアナウンスを聞くなんて、仕方がないとは言え、やり切れないですね
改めて観劇出来るのは当たり前ではないのだと実感しました。
そんなこんなで、今回の舞台は余計に胸に染み入りました。
私は、蓬莱さんの作品は初体験。
なので、色々な意味で衝撃的でした
だって、⬇️こちらのあらすじを読んでみてくださいませ。
牡蠣工場から、西部の世界になって、鈴木亮平さんが馬になる??
馬役の鈴木さんはラップを歌うシーンもあるとか
不思議な世界観ですが、コメディーっぽくて、西部劇ならではの冒険活劇なのだと思っていました。
が、全く違う色合いの作品でビックリしました
確実とかけ離れた西部が舞台ですが、現代にも通じる、世の中の不条理が描かれていて。
暴力、DV、独裁者、同調圧力、、、。
特に暴力のシーンは、見ていて辛くなってしまいました。
この作品は観る方も体力がいりますね。
でも、親子の愛、姉弟の愛も描かれていて、希望が見える終わり方だったのが救われました。
馬役の鈴木亮平さんのシーンは、クスッと笑えましたし
鈴木さんのお芝居を生で観たのは初めてでした。
演じると言うよりも、役として生きている感じでとても演技が自然で引き込まれました。
観ていくうちに、段々ディカプリオが愛らしく感じで馬に見えてくるのですよ。
涙を流しながら熱演していたのが印象的でした。
印象に残っているのは、ドリー役の宮下今日子さん。天海祐希さん演じるジャンゴの為に立ち上がるのですが、圧巻の演技でした
ネタバレは出来ないけれど、震えが止まらなかった。
独裁者である町長を演じた仲村トオルさん。
見事な悪役ぶりでしたが、何故か憎めないのですよね。町長としての意見もわからないではない。
その立場によって価値観は違うのだなぁって思いました。
そして、そして、天海祐希さん
冒頭で牡蠣工場のパート山本役で登場した時は、どこにいるのか探してしまった程オーラを感じなくて。天海さんは宝塚時代、舞台の端にいてもオーラを発していた人なので、オーラをあそこまで消すのは逆に凄いなと思いました
西部へと舞台が移り、ジャンゴとして登場する時は、さぞかしカッコ良いのだろうと思っていたのですが、、。
これも、想像と違っていました。
口数が少なくて、背負っているものが重く感じて、、。
母として娘を思うシーンは涙なくしてはみられなかった
強い様に見えて、本当は弱さのあるジャンゴ。
天海さんの背中が小さく見えたのは初めてでした。
また、ジャンゴに対して暴力シーンがあって、目を背けたくなるくらい観ているのが辛かった。
天海さん、この役を毎日演じるのはしんどくないかな、なんて思ってしまった。
でも、天海さんはプロなので大丈夫ですよね。
しかしですよ。
ティム役の仲村トオルさんとのラストシーンで、ティムに言い放つ一言が凄いのです。
ストレートに胸に響いてきて、わたしは震えが止まらず放心状態でした。
これぞ天海祐希さんの真骨頂ですよね。
どんなシュチュエーションで、天海さんがどんな状態で言ったのか、その時の天海さんがどれ程素敵だったのか。
語りたいけれど、ネタバレになってしまうので言えません。
一つ言えるのは、宝塚時代から今まで見てきた天海祐希さんの中で一番素敵でした。
今でも、そのシーンの天海さんの姿と声が心に残っていて、思い出してはウルウルしてしまいます。
このご時世に生で天海祐希さんのお芝居を観られた事に感謝です。
カーテンコールの時に、誰よりも深くお辞儀をしている姿も感動しました。
広島ジャンゴは13日に配信があります。
https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/22_django/topics/5886.html
興味のある方は是非ご覧になって下さいね