時間が経ってしまいましたが💦、月組大劇場千秋楽のライブ配信を観ました

ロマン・トラジック
『桜嵐記(おうらんき)』
作・演出/上田 久美子
南北朝の動乱期。京を失い吉野の山中へ逃れた南朝の行く末には滅亡しかないことを知りながら、父の遺志を継ぎ、弟・正時、正儀と力を合わせ戦いに明け暮れる日々を送る楠木正行(まさつら)。度重なる争乱で縁者を失い、復讐だけを心の支えとしてきた後村上天皇の侍女・弁内侍。生きる希望を持たぬ二人が、桜花咲き乱れる春の吉野で束の間の恋を得、生きる喜びを知る。愛する人の為、初めて自らが生きる為の戦いへと臨む正行を待つものは…。
「太平記」や「吉野拾遺」などに伝承の残る南朝の武将・楠木正行の、儚くも鮮烈な命の軌跡を、一閃の光のような弁内侍との恋と共に描く。
月組トップスター珠城りょうさん、トップ娘役美園さくらさんのさよなら公演。
観た方の評判も凄く良かったですし、とても泣けるとの事。
自分の中で期待値が上がり過ぎていたのが少し心配でしたが(笑)、杞憂に終わりました。
✨素晴らしかった✨
私が宝塚を観はじめた時、月組は『芝居の月組』と言われていました。お芝居の見応えがある組。
その伝統を、今の月組生にも受け継がれているのだなぁって思ったら、それだけで泣けてきます

芝居の月組の真骨頂を感じました。
それにしても、宝塚のお芝居を見てこんなに泣いたのはいつ以来だろう。
思う存分泣けたので、家でのライブ配信で良かったです(笑)。
この作品はお話がわかりやすい。
南北朝時代のお話なのですが、この時代の歴史を知らなくても心配いりませんよ。
組長の光月るうさんが、冒頭にわかりやすく説明をしてくれます。
宝塚を知らなくてもお芝居が良いので感動出来ると思いますし、宝塚ファン、特に月組に思い入れのあるファン、そして珠城りょうさんファンの方は涙腺崩壊するのではないでしょうか。
それくらい今の月組へのあて書きが見事でした





演出の上田久美子先生は、以前スカイステージでこんな事を仰っていました。
『誰にだって初めて宝塚を観る時があるんですよ。その時に面白いなと思わなかったら次は観ないですよね。その一回目が大事なんです。私は一発目で面白いと思ってくれるものを作りたいんです。』
正にそうですよね。一回目は大事。
この作品は、宝塚に興味があるけれど観たことが無い方に、自信を持って奨められると思います

コロナ禍でなければ、お友達を沢山お連れしたかったな。
とにかく脚本が素晴らしい。
そして、演じた月組生も皆素晴らしかったです。
月組は脇を固める生徒さんが充実しているので、土台がしっかりしています。
それによって、トップスターが更に素敵に見える相乗効果の素晴らしさ✨
上級生の光月るうさん、夏月都さんの芝居の旨さ。
→終盤でお二人が誰かわかった時は、『そうだったのか』と、うなりました。
今回印象に残ったのは、紫門ゆりやさんです。
ベテランになってもキラキラした感じのノーブルな男役のイメージだったのですが、今回の悪役っぷりにビックリしましたよ

目線も凄くいやらしかったし。→褒めてます。
高師直が紫門さんだとは信じたくなかったです(笑)。
そして、珠城りょうさんと兄弟役を演じた、月城かなとさんと鳳月杏さん。
月城さんって、日本物での佇まいが壮一帆さんに似ていると思ったら、雪組の新人公演時代に壮さんの役を演じていたのですよね。
雪組時代に培った日本物の所作が身に付いているなぁと思いました。
三兄弟の末っ子らしいおおらかな演技が好感が持てました。
珠城さんとのラストシーンは泣けますね

鳳月さんは、どんな状況になっても心の中では妻を思う気持ちが伝わってきて切なかったです。
ラストシーンでは、『月雲の皇子』を彷彿する場面が出てきて、涙腺崩壊でした





→このシーンは反則です

そして、楠木正行役の珠城りょうさん。
恥ずかしながら、楠木正行さんを存じ上げなかったのですが、解説を読んだら珠城りょうさんのイメージにピタッと重なりました。
珠城さんの最後の作品にこの役を選んだ上田久美子先生ブラボーです





生真面目で不器用だけど、責任感があり真摯な性格。
好きな人に対しても、自分の気持ちよりも相手の幸せを考える奥ゆかしさ。
男役、珠城りょうさんの魅力を最大限に引き出した役で有終の美を飾りましたね。
美園さん演じる弁内侍との今生の別れの場面。
満開の吉野桜の中での二人の美しいシーン。
美しいのに涙が止まらない。
この場面舞台で観たらもっと感動するのだろうなぁ。
ラストシーンは、天国で二人が結ばれるのだろうなと浅はかに思っていたら、全く違うアプローチで。
こうきたか〜‼️って。
最後までウエクミ先生にやられました。
月組の次回作は、『川霧の橋』の再演ですが。
私は名作の再演よりも、新たな名作が生まれた事の方が何十倍も嬉しいです。
『桜嵐記』本当に素晴らしかったです✨
サヨナラショーでは、自身の退団ご挨拶まで一切涙は見せなかった珠城りょうさん。
でも、専科へ異動する紫門ゆりやさん、輝月ゆうまさんの話をした時に耐えられなくなって泣いてしまいましたね。
そんな仲間思いの珠城さんを見て、とても良い関係だったのだなあって思いました。
舞台を見ていると組の雰囲気ってわかりますよね。
ひとつだけ気になった事がありました。
何度目かのカーテンコールで、珠城さんが月城かなとさんに一歩前へ出る様に言い、次期トップスターになる事を紹介した場面。
とても感動したのですが、次期トップ娘役の海乃美月さんの事も一緒に紹介してあげて欲しかったな。
そこだけが残念でした

でも、月組がチームワークの良い組なのは伝わってきましたよ

退団者の皆様。
大劇場公演ご卒業おめでとうございます。
東京公演も完走できます様に🙏✨