*ルキーニ(尾上松也さん)
尾上さんの舞台を拝見するのは初めてでした。
観る前は、『何故歌舞伎役者をミュージカルの舞台に出すの??ミュージカル俳優でルキーニをやりたい人沢山いると思うのに』って不信感があったのですが、尾上さん、上手いです

滑舌も良くて、セリフも後ろの席まで良く通る声で、流石毎日舞台に立っているだけありますよね。
話はそれますが、元星組トップの峰さを理さんが、
『最近の宝塚の生徒は歌舞伎を全く見なくなった。歌舞伎は間の取り方も素晴らしいし、一番お芝居の勉強になるのに』
と嘆いておられたんです。
私は歌舞伎は一度しか観たことないのでよく分からなかったけど、尾上さんの舞台を観たら、峰さんの仰っていた事がわかった気がしました。
尾上ルキーニは、確かに間の取り方が素晴らしいんです

盛り上げ方もうまく、目力が半端なかったです。
最初は、話し方が少し歌舞伎っぽいと思ってしまったけど、観ているうちに大らかなイタリア男に見えてきました。
ルキーニを演じているというよりは、ルキーニとして生きているといった感じで自然な演技でした。
歌は、高音がちょっと厳しかったかな

でも、トータル的に尾上ルキーニあっぱれでした

*ゾフィー(香寿たつきさん)
お芝居も歌も素晴らしかったです

香寿さんのゾフィーは、厳しさを全面に出している感じがしました。
宝塚版ゾフィーは、眉毛を強めに書いて怖いイメージがするけど、香寿さんは怖さは全くないんです。
でも男役出身だけあって、存在感は凄くありました。皇太后としての威厳も感じられたのも流石です

今回の演出では、ゾフィーの最期がきちんと描かれていて、ゾフィーがシシィやルドルフの躾に厳しければ厳しいほど、この場面は切なくなってしまいます。 香寿さんの心情が伝わる歌唱が心に染みました

個人的には、シシィ役の花總さんとのお芝居が見れて嬉しかったです

カーテンコールでの、人懐こい笑顔も健在でした

*フランツ(佐藤隆紀さん)
佐藤さんも初めて拝見しました。
音大出身だけあって、とにかく歌唱力が素晴らしかったです

プロローグでフランツの歌声が響き渡っていました。
ただ歌は完ぺきだったけど、シシィに対しての愛情があまり感じなかったんですよね

なので、『夜のボート』の場面も歌声は素晴らしかったけど、シシィに対しての愛情が感じなかったので、二人がすれ違ってしまう切なさが感じられなくて残念でした。
でも、フランツの誠実さは伝わりました

*ルドルフ(古川雄大さん)
古川さんは、見た目がもうルドルフ過ぎました

綺麗な顔立ちで、ガラスの様な繊細さがあって。宝塚の男役みたい

歌も健闘していたけど、井上トートとの『闇が広がる』のデュエットはもっと頑張って


この場面だけは、初演でルドルフを演じたタータン(香寿さん)代わりに歌ってっ!!と本気で思ってしまいました

*少年ルドルフ(松井月杜くん)
東宝版の強みは、本当の子供が出演出来る事ですよね!!
宝塚では、星組版の月影瞳さんの少年ルドルフが個人的に一番可愛くて好きでしたが、やはり本物の子供には叶わないです、、、。
松井くん、本当に可愛かった

『ママ、何処なの??』
って歌うところなんか、可哀想になってしまってウルウルしてしまいました

可愛いだけではなくて、歌も凄くお上手でした


今回のエリザベートは感動し過ぎて気持ちがフワフワしていたせいか、なんと帰りの電車で反対方向の電車に乗ってしまいました



30年近く有楽町に通っていてこんな事は初めてなのでビックリです(笑)
次回の観劇は約一ヶ月後です。
お楽しみは、念願の剣幸さんのゾフィー

今から楽しみです

