今回の宝塚の人事で実感しました。
私は、30年弱宝塚歌劇を観続けてきて、たくさんの夢を見させてもらいました。
そう。
私の中で、『宝塚=夢』だったのです。
もちろん、綺麗事だけで成り立っている世界だとは思いません。
少女の頃から、イジメがあるらしい、○○さんがいじめられていたらしい、という噂話は聞いた事がありました。でも、この『らしい』という言葉にはまだ救いがありました。
『本当の事はわからないし、噂話に振り回されるのはやめよう』
と、思えたんです。舞台だけを観て『素敵♡』って思っていた方が幸せですもんね。
96期の問題も、知りたくもないのに耳に入ってきます。気にはなっていましたが、前に書いた理由から、敢えて調べたりせず気にしないようにしていました。
そう。
花乃まりあさんが宙組から花組に組替えになった時も、明日海りおさんの相手役になる為だろうという事も何となく判っていましたが、特に気にしませんでした。
呑気に『綾瀬はるかさんに似てるなぁ』なんて思っていた位でした。
でも、明日海りおさんの相手役に決まった時に、どうしても気になってしまい、花乃まりあさんの事を調べてしまいました。
裁判記録が残っていて、花乃さんがどんな暴言を言ったか、どんな事をしてきたか。
調べてしまった自分がいけないのですが、言葉を失いました。
『らしい』が『確定』に変わってしまい、上手く言えませんが私の中で何かが終わってしまいました。
もう、舞台に夢は見られない

『アラフォーのおばちゃんが夢を見られないなんて言っちゃって』っと笑われるかも知れませんが、私は今でも宝塚に夢を見ていたし、明日海りおさんにも夢を見ていました。
それなのに。
こういうファンの夢を壊した人を、寄りによって一番伝統のある花組のトップにしてしまった(宙組ならいいという訳ではありません)劇団に失望してしまいました。
明日海りおさんと共に『花組の顔』になってしまうことに嫌悪感を感じていました。
実は、ここ一週間宝塚ニュースを見る気も失せて、またライトなファンに戻ろうと思っていて

でも、たまたま今日の昼間に録画してあった『宝塚歌劇 輝ける100年の伝統から果てしない未来へ』を見たんです。
宝塚歌劇の歴史と共に、現役スターとOGさんのコメントも入っていて、見ている内に『やっぱり宝塚好きだなぁ』って思えてきました。
一番感動したのは、紫苑ゆうさんの言葉です。
これからの宝塚歌劇について、こんな風に仰っていました。
「目に見えない大切な物。宝塚を愛する心とか、先輩・先生を尊敬する心とか、周りに対する愛情とか思いやりの心とか、そういう昔から大切にされてきた目に見えない物を伝統と言うのなら、そういう物を無くさないでもっともっと発展していって欲しい。それは当たり前の願いですけれど、ちょっと身を引き締めて伝統をもう一度考え直して宝塚をもっと素晴らしい物にしていって欲しいと思います。音楽学校の生徒に愛・宝塚愛を伝えていきたいと思います。」
このコメントを聞いて、泣いてしまいました。
紫苑ゆうさんは、私の一番純粋に大好きだった時代のスターさん。
勝手な推測ですが、一ファンの私なんかよりも、この96期の問題は胸を傷めたんだろうな。
正直言って、明日海さん、花乃さんのコンビを暖かく応援する事は心の狭い私には今の時点では無理です。(明日海さんの事は勿論応援します!!)
でも、紫苑ゆうさんみたいな宝塚愛に溢れた先生が音楽学校生に『目には見えない大切な物』を愛情を持って教えて下さる限りは、まだ宝塚に救いはある、と思えました。
