友人の誕生日にクライアントおすすめの六本木のカフェでパンケーキとフレンチトーストを食べて来ました♪がっつりの大きさでしたが程よい甘さで美味しかったです。
こんにちは
臨床心理士の湯浅です。
多文化環境で育ったお子さんの心理検査に対する試みについては前回シェアしました。
オフィスで実施したWISCで興味深い例がありましたので今回はそれについてシェアしたいと思います。
申し込みはヨーロッパA国在住の方で、ご両親は日本人、小学校2年生までは日本で生まれ育った、現在12歳のお子さんです。A国はA語が公用語ですが、本人はインターナショナルスクールに通っていて、学校では英語で授業を受けたり、友達と話したりしています。
本人に1番得意な言語を聞くと、英語かな?と曖昧ですが、ご両親は日本語が1番得意だと言います。
実はこういうことは結構あって、ご両親が日本語ネイティブであり、幼少期からお子さんと日本語で会話をしているし、家庭内では意思疎通ができているので、日本語が不自由とは思えないというケースです。
でも実際は、8歳から12歳という、言語習得の黄金期に国語の授業を受けていない、同世代と日本語で話さない、日本語のテレビやアクティビティに触れない、日本語えお話すのは、きちんと話さなくても言いたいことを大体わかってくれる両親とだけ、となると、ネイティブレベルの日本語習得は難しくなります。
またそれはA語も同様です。A国に住んでいる、というだけではA語の習得はできません。結果的に日常の学校生活で1番使う英語が得意になっていくというのは頷けます。しかし、その英語も同世代としか話さないし、授業を受けるだけなので、そのほかの環境での英語の習得は遅れたままです。
こういった多言語環境で育ち、どの言語もその年齢の標準と比較して習得が遅れてしまう方のことを、ダブル(もしくはトリプル)リミテッドといいます。
こういった方が学校で問題を起こしたり、学習に遅れが生じていると、それが「言語習得」の問題なのか、それとも何か別の問題なのか(知的能力や鬱などの病気の問題なのか、それとも虐待やいじめなどからくるストレスの問題なのか)の鑑別が必要になりますが、ではいったい何語でそれをやるのか。
このお子さんは学習で遅れがあり、A語ではアセスメントと心理検査が終わっていたので、続いて日本語での検査をしてほしい、またその結果を英語で医師に伝えてほしいというオーダーでした。
しかもA国在住ですから、オンラインでやらなくてはなりません。希望されていた知能検査は、その半分ほどがオンラインではできませんから、残りの実施可能な検査だけで分析しなくてはなりません。
こういった込み入った検査は断られるようで、なんとか受け入れてくれるところを探して、うちのオフィスに連絡してくださったようです。
確かに標準化された検査を半分だけ実施することには倫理的な問題や、その仮説の多くなる曖昧な分析の責任を負うというリスクがあるので、断ったほうが簡単なケースかもしれません。
しかし、ではこういう困っている方はどうしたらいいんでしょう?
幸いうちのオフィスには多文化や多言語の心理検査を長年実施、研究している先生がいるので、その先生に相談して、試行錯誤で実施をしました。
結果は詳しくお伝えできませんが、そのプロセスや実施の手続き、分析、FBの全てが新しいことの連続で深い学びとなりました。
ダブル(トリプル)リミテッドの方の葛藤は、日々のカウンセリングでも出て来やすいトピックなので、またどこかで書けたらと思います。
Sincerely,
Aya Yuasa
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東京新宿エリア市ヶ谷の心理カウンセリングオフィス。日本語・英語・ポルトガル語など多言語対応が可能。カウンセリング、カップルカウンセリング、オンラインカウンセリングをはじめ、専門家のスーパビジョンにも力を入れている。スタッフは全員臨床心理士、公認心理師、もしくはそれに準ずる各国の資格を持ち、臨床経験3年以上の専門家のみを採用し、日々トレーニングと査定を実施している。認知行動療法や多文化間カウンセリング、パーソンセンタードなど、さまざまな技法を選ぶことができる。
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