今年は魚に恵まれた年だった(って、まだ残ってるけど)。

先日の根魚=煮付け魚に続いて今度はマダイ=塩焼き魚が届いた。

従兄弟が尾鷲湾で釣ってきたのだ。

従兄弟は釣りが大好きでいろんな魚をたくさん釣ってくるのだが、食べることにはあまり熱心でなく、処分に困って私の家に捨てに来るというありがたい存在だ。

先日のヒシダイとは違いさすがに魚の王者のマダイだ。

姿良く色も綺麗で美しく食して美味い。

マダイには生まれながらに優れた特性が与えられている。しかし、

人に食べられることを前提に生まれてきたようなところもある(無いやろ)。

いや、有る。養殖マダイがそうだろう。

マダイは鱗が剥がしやすく内臓も取りやすくてさばき易い。

よって塩焼きなんかは鼻歌交じりで出来上がることになる。

しかもこのサイズになるのを待って釣り針に食いつくようで、我が家のグリルの対角線上にぴったり納まるサイズである。

これより小さくても大きくてもグリルの熱効率が低下し無駄にエネルギーを消費してしまう、そんなことが起こらぬよう、効率というものがきちんと学習されている(誰が教育してんねん)。

更に標準質量の人間の夕食のおかずとして丁度良い大きさであり、他に何もおかずを作らなくても良いという、台所の奥さんにとっては優等生君だ(いや、食い過ぎだと思うよ)。

 

 

 

このマダイが数あるマダイ(そんなにあるんか)の中のどの派閥に属すマダイかというと、”あすなろマダイ派”と言って、天然マダイになろう、明日は成ろう、あすなろう、と毎日思っているがついになれないで終わるマダイなのだ。

幼少の頃に養殖場の網のほころびから逃げ出して外海を自由に泳げるようになったにもかかわらず、決まった時間にエサを貰えるもんだから養殖場付近をウロウロ泳ぎ回っているだけの、うちのショコ(猫)とよく似た性質のマダイだ。

ところが養殖場のエサの品質が良くなったのと、養殖筏の中よりは運動量も多いため、天然マダイより美味しいという評判が広く知れてしまったのである。

従兄弟はそのあたりのメカニズムを知りつくしており、養殖筏の近くに小舟を浮かべて釣ってくる。

漁業者が「放し飼いをしてるんだぞー」とマダイの所有権を主張してきても「放し飼いは近隣の迷惑になるからダメなんだぞー」と、どこかで聞いたような返答をしてやるそうだ。

尾鷲湾は3基の石油火力発電所がすべて無くなり、熱効率が産んでいたマダイ養殖用?温排水を失ってしまった。

マダイ養殖は冬の時代に入ったようだが、温暖化によって海水温も上がってくるだろう説に期待している他力本願性は何も変わらないようである(あかんやろ)。

まあ、何にしろマダイは美味い。

たくさん貰ったからhさんにも焼いて持って行ってやろう。

hさんは調味料が何も無いという、料理をしない人です。

よって直ぐに食べられる状態にして、夕食の1分前に持って行ってやるのです。

生魚なんて持って行ったらゴミ箱ポイだからね。ハハハ