ヒロちゃん85歳が私を誘い入れた健康指向の高い(日本語は厄介だ、指向・志向・嗜好・思考、同じ発音でどれでも似たり)コミュニティは町営ジムを利用している人達がゆるやかに結びついているものだ。
メンバーに共通するのは自身の健康を保ちたい人達である、ということ。
行政が掲げるこのジムの設置理念のど真ん中を通っている。
規則や会費で運営されているような実態ではなく、各々の共通した健康意識だけで結びついている。
但し、リーダー的な人はずっと存在しており、彼女は人を教育することを生業としてきた人であり、コミュニティの人達を心身両面健康な方向へ導くことを自身の生き甲斐としていた。
そのO女史に初対面で「あんたNちゃんと同級生なんやってね?もっとジジイに見えたわ」そう言われたのが悔しくて、見返してやりたいと思ったのは事実だ。
このコミュニティは暗黙的に名称として「アンチエイジング友の会」とされていた。
その名称にはO女史の、「メンバー全員(もっと広くかもしれない)を若々しく健康にしてやりたい」という思いが込められていた。
得意の運動指導だけではなく、食や生活習慣や果ては現代社会の抱える各種の問題についても熱く語る人物であった。
残念ながらコミュニティを離れていった人の中には早期に血管障害などで倒れてしまったり、老化が急激に進んでしまった人もいるのが事実だった。
「もしあの人が今も続けていれば、あのようにはならなかったかもしれませんね」
そのように人のことを本気で心配して手をさしのべてくれる人である。
正にこのコミュニティはその名称通り、歳を感じさせない人達ばかり揃っているのです。
続く。