妻のパソコンから私へのメッセージを見つけたとき、
私は読まずにおこうとしましたが、それはできないものですね。
もうそれを読んでも妻が生き返るわけではなく、不毛に思いながらも読んだのです。
妻は美人では有りませんでしたが、目は大きくてくりっとしていました。
そのくりっとした目は妻に少女のような面影を持たせていました。
その面影は妻が亡くなって後、徐々に私の心の中で増幅し本当の少女に、いえ、天使に昇華していったのです。
無垢でピュアな心を持った天使になっていったのです。
生前はお互いに憎まれ口も言い合ったものですが、
でも、もう私は言い返されることも足蹴りを食らうことも無く、
妻は私の中で天使に創り上げられていきました。
その妻が書いた私へのメッセージにどのようなことが書いてあったのか?
それは妻がいなくなった後の私のことについてです。
頼りない私のことを心配してくれる言葉だったのです。
それ以上のことは言えません。
妻はよく児童養護施設の子供を預かってきて家に泊めていました。
私は忙しい業務の慰めにその子供達とままごと遊びをして癒やされたものです。
純真無垢な子ども達の目は妻の目と同じように輝いていたのを覚えています。
妻は本当に天使だったのかもしれません。
神様は何て酷いことをしたのでしょう・・・