田舎には男女格差というものは案外無いのかなと感じています。

世間一般にはまだまだ男女格差のある社会ですが、このあたりでは絶滅してしまったようです。

まず、賃金労働をしている人が都市部と比較して少ないですね。

居ても役場の職員や教師などの公務員が多く、男女格差の無い(名目上は)世界に居ます。

都市部では一般企業での賃金労働者がほとんどになりますが田舎には非常に少ないのです。

男女格差を実感できる機会も少なくなると思われます。

そして農業というものがきちんと男女の適性によって分担が決まっているのです。

米作りは完全に男性の仕事に振り分けられます。

機械化の進んだ米作りは昔のように女性が並んで田植えをするようなことは無くなりました、その機械オペレーターは男性の本能的適性なんでしょう。

畑を作るとしましょう、開墾に始まり畝を立てて種や苗を植えられる状態まで整える力仕事は男性です、それから後のきめ細かい作物の世話から収穫までは女性の仕事になります。

田舎では地域コミュニティ活動などは都会より多くなりますが、それも上手く分担されてしまうようです。

私のように実質一人世帯(同居の息子とは別世帯)は何でもやることになりますが、能力以上のことは求められず理解に富むのも田舎の特徴です。

このように仕事の分担が男女で重ならない為に男女双方から文句が出ません。

但し、男性に少し有利なことがあります。

それは天候に左右される仕事を受け持つ男性と、家事など天候に左右されない仕事がある女性とでは休日数が相違するはずなのです。

それを男女間格差だと言えばそうかも知れないですね。

仕事を失った男性が不甲斐無いのは田舎も都会も同じです。

家庭で女性が強いように感じられるのはそのへんに理由があるのかもしれません。

近頃は都会から行き間違って(生き間違って)田舎に来てしまった嫁が、「草一本抜かない!」と姑や周囲から白い目で見られて窮地に立たされるようなこともありますが、これは格差問題ではなくカルチャー問題になります。

妻はよく言ってました「あんたの山には絶対行かん」と、

とても賢明だったと思いますよ。