物忘れの対処法として戻って考えるというのをやっている。

頭の中だけで自分の行動を遡るのではなく実際に戻って自分の行動を辿るのだ。

するとそこで見える風景、音、匂いなどが思い出させてくれる場合が有る。

なるべく早いうちに戻るのが良い。

それは忘れる前と同じ光、温度、風などの感触が作用してくるものと考えられる。

進んでは戻り進んでは戻るすごろくのようなことをやっている。

母が好きだった『365歩のマーチ』だな。

この歌詞は節をつけずに読むことが出来ないほど私は母から聴かされていて思い出深い。

 水前寺清子

清楚な名前はいったい誰が考え出したのだろう。

とにかく戻ってみても思い出せなければもう潔く諦めるしかない。

行動を起こしたことによって諦めもつきやすい。

先日他人がそれをやっている場面に遭遇した。

その人物は携帯を何処に置いたのか忘れて探していた。

私も見える範囲を探してあげたが見つからなかった。

呼び出し音で探すという考えが浮かばなかったのはその人物も私も共通する忘れものが有るのだろう。

 O氏と飲みに行った翌日メガネが見当たらないと連絡があった。

車の中にも無くお店に聞いても忘れ物は無かった。

帰路の途中で寄ったコンビニの手洗いで外した覚えはないかと尋ねる。

すると、

O氏はコンビニに寄ったことを思い出せなかった。